人材紹介・HR主要8社の決算まとめ【2026年8月】

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8月に入り、人材紹介・HR業界の上場各社が相次いで決算を発表しています。8月6日にエン株式会社、7日に株式会社リクルートホールディングス、そして10日には株式会社リンクアンドモチベーションが中間期の数字を公表しました。これで主要8社の直近の業績がひととおり出そろったことになります。

このページは、その8社の決算を1か所に集めたものです。株価を追うためのものではなく、人材紹介の実務から見て意味のある数字、つまり売上と営業利益、そして前年同期比に絞って並べています。数値はすべて各社が開示した決算短信から取っており、カード下のリンクから元の資料をたどれます。

2026年8月 決算シーズン

上場8社の最新決算を、出典つきで1ページに。

最終更新 2026年8月10日

対象 2026年8月時点(各社の直近開示)掲載 8社(数値取得済み 8社)出典 各社IR

株式会社リクルートホールディングス6098 / 3月期
2027年3月期第1四半期
連結(全社)
売上高
1兆453億円
前年同期比 +18.9%
営業利益
2,554億1,300万円
前年同期比 +66.1%

市場全体のベンチマーク。海外比率が高く、国内人材紹介の動向とは必ずしも連動しない

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パーソルホールディングス株式会社2181 / 3月期
2027年3月期第1四半期
連結(全社)
売上高
4,240億1,700万円
前年同期比 +13.5%
営業利益
188億8,000万円
前年同期比 +22.6%

doda を擁する業界2位。国内中途採用市場の体温計

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株式会社ジェイエイシーリクルートメント2124 / 12月期
2026年12月期中間期
連結(全社)
売上高
258億1,200万円
前年同期比 +11.0%
営業利益
71億600万円
前年同期比 +13.9%

人材紹介専業の純粋指標。ハイクラス中途。読者の事業構造と最も近い

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エン株式会社4849 / 3月期
2027年3月期第1四半期
連結(全社)
売上高
133億1,400万円
前年同期比 -11.2%
営業利益
14億6,800万円
前年同期比 +10.5%

求人広告と人材紹介のハイブリッド。両モデルの収益差が見える。2026年時点の商号は「エン株式会社」(旧エン・ジャパン株式会社)

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ビジョナル株式会社4194 / 7月期
2026年7月期第3四半期
連結(全社)
売上高
731億5,700万円
前年同期比 +24.3%
営業利益
196億1,200万円
前年同期比 +12.2%

ビズリーチ。ダイレクトリクルーティングの伸びは紹介会社にとって競合であり集客チャネルでもある

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株式会社クイック4318 / 3月期
2027年3月期第1四半期
連結(全社)
売上高
103億7,600万円
前年同期比 +5.2%
営業利益
29億7,100万円
前年同期比 +4.6%

中堅紹介会社のリアルな指標。売上規模が読者に最も近い

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株式会社キャリアデザインセンター2410 / 9月期
2026年9月期第3四半期
連結(全社)
売上高
142億4,300万円
前年同期比 +1.7%
営業利益
13億2,300万円
前年同期比 +9.2%

type / type転職エージェント。IT・営業系中途で本命CV層の職種領域と重なる

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株式会社リンクアンドモチベーション2170 / 12月期
2026年12月期中間期
連結(全社)
売上高
222億6,900万円
前年同期比 +11.7%
営業利益
32億3,400万円
前年同期比 +2.2%

組織人事コンサル+転職支援。採用の前工程(組織課題)の温度感が出る

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セグメントの切り方が各社で異なるため、絶対額の横比較はできません。人材紹介だけを切り出しているセグメントもあれば、求人広告や人材派遣を含むセグメントもあります。本ページは各社の前年同期比の並列と、決算短信に記載されたセグメント名の明記に留めています。各セグメントに何が含まれるかは、必ず各社の開示資料でご確認ください。

数値は各社IRの開示資料で確認していますが、最終的な確認は各社の一次情報でお願いします。また本ページは業界動向の情報提供を目的としたもので、特定の有価証券の取得・売却を推奨するものではありません。

今回の決算で、何が起きているのか

連結の数字ほど、国内の中途採用は伸びていない

8社のうち7社が増収でした。ただ、この見出しの数字をそのまま「市場が好調」と読むと実態を取り違えます。大手の伸びには、為替と企業買収の寄与がかなり含まれているためです。

パーソルホールディングス株式会社は連結で13.5%の増収ですが、短信は要因として2025年10月に取得したGojob SASの寄与と為替影響を挙げています。実際、豪ドルの期中平均レートは92.6円から113.1円へ動いており、アジア・パシフィック部門の26.0%増収は「主に為替影響により」と説明されています。

そして、dodaを含む国内の人材紹介・求人メディア部門(Career SBU)は、売上収益1.7%減、営業利益13.2%減の減収減益でした。同社はその理由を、顧客企業の厳選採用傾向が続いていること、およびdodaとdoda XのID統合に伴う導線の不備で一部ユーザーの離脱が生じたことと説明しています。減益についてはAI投資とハイクラス領域の強化に伴う費用増を挙げています。

国内最大級の中途採用プラットフォームが減収になった。この一点が、今期のいちばん重い事実だと考えています。日本の中途採用市場は、企業が採用を絞っているのではなく、採る基準を上げている局面にあります。

市場が縮んだのではなく、採り方が変わっている

では企業は採用をやめたのか。ビジョナル株式会社の数字を見ると、そうではないことがわかります。

BizReachの累計導入企業数は43,900社以上(前期末38,100社以上)、スカウト可能会員数は342万人以上(同307万人以上)へと伸びています。企業が自ら候補者に接触する経路は、この1年で明確に太くなりました。厳選採用と言っても、採用意欲そのものが落ちたわけではなく、エージェント経由から直接接触へ、比重が移っていると読むのが自然です。

同時に見逃せないのが、BizReachの利用ヘッドハンター数が9,000人以上から9,400人以上へ増えていることです。これは人材紹介会社側の数字です。つまり紹介会社自身が、自社の求人開拓だけに頼らず、ダイレクトリクルーティングのプラットフォーム上に活動の場を広げ始めている。競合の伸びであると同時に、同業の移動を示す指標でもあります。

伸びているのは、専門特化と一人当たりの生産性

この環境で伸びた会社には共通点があります。

株式会社ジェイエイシーリクルートメントは売上14.8%増・営業利益28.7%増。連結売上の約9割を国内人材紹介が占める、ほぼ専業の会社です。エン株式会社のエージェント部門も売上10.7%増・営業利益22.6%増で、同社は増収の理由をコンサルタントの生産性向上と説明しています。一方、同じエンでも求人広告にあたるメディア部門は売上4.3%減・営業利益16.7%減でした。

求人広告が縮み、人材紹介が伸びる。しかもその人材紹介は、扱う職種や年収帯を絞り込んで一人当たりの生産量を上げた側が伸びている。汎用的に幅広く扱うモデルは、上からはダイレクトリクルーティングに、下からは生成AIに挟まれつつあります。

生成AIの影響は、職種帯によって割れ始めた

その生成AIについて、株式会社ジェイエイシーリクルートメントが短信で踏み込んだ記述をしています。一部の職種では生成AI活用による求人数の減少が懸念されるとしたうえで、同社が注力する高額年収帯は高度な専門性や意思決定を要する職種が中心であるため、その懸念はほぼなかったと明記しました。

上場企業が決算資料で「生成AIによる求人減」に言及し、かつ自社は影響が限定的だと切り分けて説明した。求人が減る職種と減らない職種の線引きが、すでに事業者側の説明責任の対象になったということです。定型的な業務が中心の職種を主戦場にしている場合、この流れは数四半期のうちに求人数として表れてくる可能性があります。

中堅の伸び率が、大手に対して劣後している

規模別に見ると差は明確です。中堅規模の株式会社クイックは売上5.2%増・営業利益4.6%増、株式会社キャリアデザインセンターは売上1.7%増にとどまりました。大手の二桁成長とは開きがあります。

市場が拡大しているわけではない以上、伸び率の差は取扱量の差に還元されます。大手は自社に蓄積された求人と候補者の母数が大きく、同じ営業工数でも成約に至る確率が高い。厳選採用で1件あたりの決定が重くなるほど、この母数の差はそのまま生産性の差になります。中堅・独立系にとっては、求人開拓にかけられる工数が事業の伸びを直接縛る構造が、以前よりも効いてきていると見ています。

業界はこれからどこへ向かうのか

グローバルに目を向けると、株式会社リクルートホールディングスは通期の業績予想を上方修正しました。営業利益は9,450億円、前期比49.9%増の見通しです。修正の理由として挙げられているのは、Indeedなどを擁するHRテクノロジー事業の実績と見通しが想定を上回ったことでした。求人プラットフォームそのものは、世界的にはまだ強い成長局面にあります。

一方の国内は、厳選採用・ダイレクト化・生成AIの3つが同時に進む数年になりそうです。企業が求人を出さなくなるのではなく、エージェントに任せる領域が狭くなっていく。任される領域として最後まで残るのは、候補者が転職市場に出てこない職種、要件が複雑で書類だけでは判断できない職種、そして意思決定層です。

裏を返せば、求人票を並べて候補者を当てるだけの工程は、この数年で価値が薄くなります。今回の決算で伸びた会社が例外なく「専門特化」か「一人当たり生産性」のどちらかで説明されていたのは、その予兆だと考えています。

なお、株式会社リクルートホールディングスは2026年6月に、日本の人材派遣事業について独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会の立入検査を受けたことを開示しています。現在検査に協力中で、財務的な影響額は業績予想に織り込んでいないとしています。派遣事業を併営している会社は、続報を注視しておいたほうがよい論点です。

次の決算発表

株式会社ジェイエイシーリクルートメントの第2四半期が8月中旬、ビジョナル株式会社の通期が9月に予定されています。ビジョナル株式会社の通期は、ダイレクトリクルーティングの拡大が人材紹介にとって競合圧力として働くのか、それとも候補者接点の拡大として働くのかを見るうえで、次の重要な材料になります。

求人開拓の工数が、伸び率を決める局面に

今回の決算をひとことでまとめるなら、中途採用市場は縮んでいないが、エージェントに配分される領域は確実に選別が進んでいる、ということになります。そのなかで伸びたのは、扱う領域を絞り、一人当たりの生産性を上げた会社でした。

中堅・独立系にとって現実的な打ち手は2つです。ひとつは職種帯の絞り込み。もうひとつは、求人開拓にかかっている工数を、候補者と向き合う時間に振り替えることです。

私たちが運営する求人データベース「Crowd Agent」は、後者のための選択肢のひとつです。求人開拓をせずに約1.2万件の求人を使えるため、開拓に充てていた時間をそのまま面談と推薦に回せます。今回の決算が示した「一人当たりの生産性で差がつく」という流れに、直接効く部分だと考えています。

求人開拓そのものの進め方を見直したい場合は、人材紹介の求人開拓 完全ガイドもあわせてご覧ください。

このページの数字について

掲載している数値は、各社が開示した決算短信から取得しています。連結か非連結か、四半期の累計か単独かといった条件は各社の表記に従っており、記事側での加工はしていません。

各社が「人材紹介事業」として切り出している範囲は同じではないため、売上高をそのまま横に並べて大小を比べることはできません。決算月も3月・7月・9月・12月に分かれており、同じ8月に発表された数字でも、ある会社にとっては第1四半期、別の会社にとっては第3四半期です。カードに記載した対象期とあわせてご覧ください。

なお、このページは業界動向をお伝えすることを目的としたもので、特定の有価証券の取得や売却を推奨するものではありません。投資判断に用いる場合は、必ず各社の開示資料そのものをご確認ください。

クラウドエージェント編集部

人材紹介業界に深く精通したメンバーで構成された専門メディアチーム。

紹介会社様からのリアルな相談や最新の業界ニュース、求人データベース(求人DB)の運用事例、企業の採用現場の声をベースに、明日からの実務に役立つ専門ノウハウを発信しています。人材紹介会社様の事業成長に寄り添い、業界の未来を切り拓く皆さまの一助となる情報をお届けしてまいります。

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