【2025年完全版】人材紹介事業で独立!まとめ

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本記事は人材紹介で独立する方に必要となる情報を全てまとめております。人材紹介業は、経験がなくても参入できるビジネスですが、許認可の取得や資本金の要件など、事前に知っておくべきポイントがあります。また、2025年1月の法改正により、一部の許可要件が変更されましたので、最新情報もあわせて解説します。本記事を人材紹介で独立する際の教科書として、ご活用ください。

人材紹介で独立すべき?利益は出るの?

人材紹介で独立するためにまず知っておきたいこと

人材紹介(有料職業紹介業)は、企業と求職者をマッチングし、紹介手数料を受け取るビジネスです。厚生労働省の需給調整課が管轄する許認可事業であり、免許を取得しなければ運営できません。免許の取得にはいくつかの要件があり、審査があるため約2〜3ヶ月程度かかります。

最新情報(2025年1月施行)

2025年1月より、職業紹介事業の許可条件が追加されました。

  • 求職者への金銭等の提供が禁止(例:過度な「就職お祝い金」制度など)
  • 就職後2年間の転職勧奨が禁止(短期間での転職を促す行為が制限)

参考:厚生労働省 2025(令和7)年1月1日施行 職業紹介事業の許可条件が追加されます

人材紹介で独立するメリット

ビジネスで独立したいと思った際に、まずは数多くの業界からどのビジネスに参入しようかと検討するかと思います。開業資金や維持費はできる限り抑えて、その上利益率も高いに越したことはないとお考えのはず。人材紹介業は、比較的少ない資金で始めることができ、高い収益性が期待できるビジネスです。
では、具体的にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

1.ローコストで起業ができる

人材紹介業の開業資金は、資本金500万円以上、現金・預金150万円以上が要件となっています。
同じ人材ビジネスでも、人材派遣業の資本金要件が2,000万円以上であることを考えると、人材紹介業の方が低コストで参入可能です。

2.収益性が高い

1件の成約で得られる紹介手数料は、平均90万円前後と高単価です。
さらに、在庫を抱えるリスクがなく、設備投資も不要なため、利益率が高いビジネスモデルといえます。

3.オフィスなしでも参入可能

現在は、レンタルオフィスやシェアオフィスを活用し、要件を満たせば事業をスタートすることが可能になっています。詳しい要件については、本記事の後半で解説しています。

人材紹介で独立するデメリット

人材紹介業には多くのメリットがありますが、ビジネスとして成功させるためには、あらかじめデメリットやリスクも理解しておくことが重要です。ここでは、人材紹介業が抱える主な課題について解説します。

1. 景気に左右されやすい

企業の採用意欲は、景気の影響を強く受けるため、需要が減少するリスクがあります。
特に、リーマンショック時やコロナ禍では、求人数が激減し、多くの人材紹介会社が苦境に立たされました。

2.売上予測が難しい

人材紹介は成果報酬型のビジネスのため、成約するまで収益が確定しないという特徴があります。
計画的なキャッシュフロー管理が必要です。

3. 優秀な人材が大手に流れやすい

大手エージェントは知名度があり、求職者の登録数も多いため、高年収の人材は大手エージェントに流れやすく、中小の人材紹介会社では確保が難しいという課題があります。
そのため、中小の人材紹介会社は特定の分野に特化するなどの差別化戦略が重要になります。

人材紹介を成功させるためには差別化が大切

人材紹介で独立するメリット・デメリットを知った上で、人材紹介事業で成功するために大切なことは、競合企業との差別化を図ることです。

1. 業界・業種を限定し、専門性を高める

下記のようにニッチな市場に特化することで、大手と差別化し、強みを活かすことができます。

  • ITエンジニア特化
  • 外国人労働者専門
  • 介護・医療特化

2. エリア特化型の人材紹介

大手が手薄な地方エリアや特定地域にフォーカスすることで、地元企業との信頼関係を築くことが可能です。

3. 手厚いサポートで信頼を獲得

中小の人材紹介会社は、大手よりも求職者一人ひとりに寄り添ったサポートが可能です。
細かいヒアリングやキャリア相談を行い、マッチングの質を高めることが重要です。

▼人材紹介業の強み、差別化について詳しく解説している記事はこちら
人材紹介業の強みとは?メリットを生かして起業の成功を目指そう!

人材紹介で独立する際は法人化すべき?

人材紹介業は、個人事業主としても法人としても許可を取得できます。しかし、それぞれの選択には異なる要件があり、基準資産をクリアする難易度や事業の拡大のしやすさに違いがあります。

特に、事業の拡大を考えている場合は、法人化でのスタートが有利になるケースが多いです。
まずは、自身の事業計画を明確にし、どちらの形態が適しているか検討しましょう。

個人と法人の選択で考慮すべきポイント

下記のポイントを踏まえたうえで、個人と法人どちらで許可を取得するべきか考えましょう。

  • 個人事業主でも許可は取得可能だが、資産要件をクリアしにくい
  • 法人化すると基準資産を満たしやすく、信用力も高くなる
  • 個人から法人への切り替えは不可のため、将来的な事業規模を考慮する

基準資産のクリアが個人だと難しくなるため注意

人材紹介業の免許を取得するためには、基準資産要件を満たす必要があります。

基準資産の要件
  • 資産総額(繰延資産及び営業権を除く)-負債の総額を控除した額≧500万円×事業所の数
  • 事業資金としての自己名義の現金・預貯金の額≧150万円+(事業所の数-1)×60万円

個人での申請が難しくなる理由

個人事業主として申請する場合、事業用の資産と個人の資産の区別がないため、個人の負債も審査対象になることに注意が必要です。
例えば、以下のような負債がある場合、基準資産がマイナスと判断され、許可取得が難しくなる可能性があります。

基準資産の審査で影響を受ける可能性のある負債
  • 住宅ローン
  • 車のローン
  • カードローン
  • その他の借入金

現在はローンを組む予定がなくても、将来的に必要になる可能性がある場合は、法人化を検討するのが賢明です。

法人化のメリット

一方で、法人として申請する場合は、個人の負債は影響しません。
そのため、すでにローンがある場合でも、法人としての資本金や預貯金が基準を満たしていれば、許可取得がスムーズになります。

法人化するメリット
  • 個人の負債が審査に影響しない
  • 信用力が高くなり、企業との契約がしやすい
  • 事業の拡大を考える場合に適している
  • 税務面でのメリットがある(経費計上の幅が広がる など)

個人 vs 法人 どちらを選ぶべき?

下記に個人と法人の違いをまとめました。

個人事業主
  • 許可取得のしやすさ:基準資産を満たすのが難しい
  • 負債の影響:個人の借金やローンが審査に影響
  • 信用力:低め(企業と契約しづらいことも)
  • 事業拡大のしやすさ:1人で運営するなら可
法人(株式会社・合同会社)
  • 許可取得のしやすさ:資本金でクリアしやすい
  • 負債の影響:法人の財務状況のみ審査対象
  • 信用力:企業との契約がスムーズ
  • 事業拡大のしやすさ:従業員を雇うなら法人が有利

事業拡大を考えるなら法人化が有利といえるでしょう。
以下の記事にて、それぞれのメリットや、個人から法人への切り替えのリスクや、法人にした場合の最適な手段などもあわせて解説していますのでご覧ください。

▼人材紹介業を個人と法人どちらで立ち上げるかについての記事はこちら
人材紹介業って個人事業主と法人どちらで立ち上げればいいの?

人材紹介の独立にかかる費用はどのくらい?

人材紹介業は独立・開業にかかる資金が比較的少ないと言われており、令和5年度の厚生労働省のデータによると、全国の有料職業紹介事業所は年間で約1,373件増加 しており、月間では約114件の新規許可が交付 されていることが確認されています。
参考:厚生労働省 民営職業紹介事業所数の推移【事業報告】(令和5年度)

実際かかる費用に関しては、法人を新たに構えるのか・オフィスを借りる賃料の有無によっても前後していきますが、前述のとおり、500万円〜始めることが可能です。そのため、比較的参入障壁の低いビジネスとも言われています。

また、近しいビジネスで人材派遣がありますが、人材派遣の立ち上げ時期にはおおよそ2,000万円の資本金が必要となります。同じ人材ビジネスでありながら、人材紹介のほうが人材派遣よりも費用面からみた起業のハードルが低いことがわかります。

下記記事では、人材紹介の免許取得前後の立ち上げフェーズのコストについてそれぞれ解説しているので、ご確認ください。

▼解説!人材紹介の立ち上げにかかる費用について解説した記事はこちら
解説!人材紹介の立ち上げにかかる費用について
▼人材紹介と人材派遣の立ち上げ費用について比較した記事はこちら
人材派遣会社の起業に必要な資本金と厚生労働省の許可を徹底解説

資産要件でよくある勘違いに注意

人材紹介業の許認可を取得する際、「銀行口座に500万円あれば許可が取れる」 という誤解をしている方が多いですが、これは誤りです。

  • 基準資産は「直近の決算書の貸借対照表」の数字で判断される
  • 単に銀行口座に500万円あるだけでは許可を取得できない
  • 個人事業主の場合、住宅ローンや車のローンなどの負債がマイナス要因となる

そのため、許可申請の前に、財務状況をしっかり整え、資産要件を満たしていることを確認することが重要 です。

職業紹介事業の業務運営要領にも下記の通り記載があります。

  • 「対照表を用いて基準資産額(「負債総額」及び「現金・預金の額」を含む。)を算定する。」
  • 「最近の事業年度における貸借対照表、損益計算書及び株主資本等変動計算書等(税務署に提出したものの写しに限る。)を用いる。」

参考:厚生労働省 職業紹介事業の業務運営要領

▼資産要件の条件とよくある勘違いについて解説した記事はこちら
これでは人材紹介の免許は取得できない!?資本金の条件とよくある勘違いとは?

事業運営を行うオフィスについて

人材紹介ビジネスの許認可を取得するには、国から定められたオフィスの要件をクリアする必要があります。広さやレイアウトなどさまざまな基準がありますが、平成29年の職業安定法改正により要件が緩和され、下記の要件を満たせばレンタルオフィスでの取得も可能になりました。

基本要件

事業所の面積は「おおむね20㎡以上」が基本要件

  • 原則として、事業所の面積が20㎡以上であることが求められる。
  • ただし、20㎡未満でも一定の条件を満たせば許可される場合がある

職業紹介の適正な実施に必要な構造・設備が整っていること

  • 個室の設置やパーティション等で区切るなど、プライバシーを確保できること。
  • 執務スペースと面談スペースを分けること。
  • 求人者・求職者が他の利用者と同室にならずに職業紹介を受けられる構造であること。

事業所の適正な立地

  • 風俗営業・性風俗関連特殊営業が密集するエリアではないこと。
  • 法令や条例に違反しない適切な場所にあること。

事業所の面積が20㎡未満の場合

予約制や貸部屋の確保などの代替措置が必須

  • 予約制を導入する、または近隣の貸会議室を確保する などして、求職者や求人者が他の利用者と同室にならないような措置を講じること。

オンラインのみで運営する場合は特例あり

  • 事業所の面積に関係なく、対面の職業紹介を行わず、インターネットを活用したオンラインのみで運営することも可能。
  • オンラインのみで許可を取得した場合、対面の職業紹介を実施すると許可の取消対象となる。

また、人材紹介の許可申請後に、労働局による現地調査(実地調査)が行われ、実際の事務所を確認してもらう作業が必要となります。

▼現地調査(実地調査)について詳細を知りたい方は、下記をご確認ください。
【2025年最新】人材紹介の現地調査(実地調査)の流れとポイントを解説!

人材紹介の許認可申請方法まとめ

人材紹介の事業を行うには厚生労働省の有料職業紹介の免許取得が義務付けられています。免許取得には、数多くの要件や提出書類があります。審査があり約2〜3ヶ月程度かかるため、ここでつまずいてしまうと、事業開始時期が大幅に遅れることもあります。どのようなルールがあるのか、免許取得についての必要事項をまとめていますので、独立する際には下記をご確認ください。

▼人材紹介の許認可取得方法については下記をご確認ください。
【2023年最新版】1分でわかる!人材紹介の許認可取得方法!
▼人材紹介免許取得のよくある質問【FAQ】については下記をご確認ください。
ここでつまずく!人材紹介免許取得のよくある質問【FAQ】

人材紹介事業での独立についてまとめました

人材紹介業で独立する際に必要な情報についてまとめました。人材紹介業での独立を成功させるためには、許認可の取得、事業計画の策定、集客戦略の構築など、しっかりとした準備が不可欠です。特に、基準資産の要件や事業所の条件を満たさないと、許可取得がスムーズに進まない可能性があるため、事前にしっかりと対策を立てることが重要です。

人材紹介事業での独立まとめ
  • ローコストで開業できるが、基準資産要件を満たす必要がある
  • 市場競争が激化しているため、業界特化やエリア特化などの差別化戦略が重要
  • 事業所の要件(20㎡以上の広さ・プライバシー確保など)をクリアし、実地調査に備える必要がある
  • 2025年の法改正により、求職者への金銭提供の禁止や転職勧奨の制限など、新たなルールが追加

しかし、「どこから手をつければよいかわからない」「許可取得がスムーズに進むか不安」と感じている方も多いのではないでしょうか?
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  • 人材紹介業の許認可取得をスムーズに進めるためのアドバイス
  • 事業所の条件を満たすための具体的な対策の提案
  • 基準資産の要件を満たすためのポイント解説
  • 実地調査の準備・対策のサポート

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辻本哲宏

大学卒業後、ファッション系ECサイト運営会社にてCS、バイヤー職を経験。
その後、総合人材サービス会社に転職後、キャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーに従事し、20〜40代の営業系職種をメインに、年間約400名の転職相談、約30社の企業採用支援を担当。

その後、海外現地在住の高度外国人材採用支援サービスの大阪立ち上げに参画し、企業の高度外国人(主にエンジニア)採用支援にも従事。

groovesでは人材紹介事業での独立開業コンサルティング業務を経験し、現在は人材紹介会社様へのCrowd Agent導入をご支援。
得意領域は20〜40代の営業系職種。

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