人材紹介事業を進める上で、必ずチェックをしておきたい法律の一つに「職業安定法」があります。職業安定法は、昭和22年11月30日に制定された法律で、職業紹介や労働者供給について定めた法律です。人材紹介を行うにあたってのルールがこちらの法律で定められています。今回の記事では、これから人材紹介事業を始められる方や、人材紹介事業を始めて日が浅い方に是非押さえておきたいポイントを解説します。
厚生労働大臣の許可が必要
人材紹介事業は誰でもできるわけではなく、事業を行うにあたって厚生労働大臣の許可が必要です。
第三十条 有料の職業紹介事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。
また、有料職業紹介の許可には有効期間があり、有効期間後も紹介事業を継続する場合は、許可の有効期間の更新を受ける必要があります。
- 有効期間は免許取得日から3年
- 1度更新をした事業者の場合は5年
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紹介できない職種
人材紹介にあたって、紹介ができないとされている職種があります。現在、厚生労働省令で定められている求職者に紹介してはならない職業は以下の2つです。
- 港湾運送業務に就く職業
- 建設業務に就く職業
これらの職種以外に関しては、地域年代性別を問わず紹介が可能です。
報酬は求人者(=雇用主)から徴収する
紹介の手数料は、求人者(=雇用主)から徴収するものであり、求職者から徴収することは法律で原則的に禁止されています。ただし、芸能家、モデル、科学技術者、経営管理者、熟練技能者など一部例外的に徴収が認められているケースがあり、一定の上限を超えない範囲であれば、手数料を受け取ることが可能になっています。
紹介手数料には2種類ある
人材紹介会社が求人者から徴収できる紹介手数料は、以下の2つがあります。これら手数料の内容についても、法律で規制がされています。
- 上限制手数料
「支払われた賃金額の10.5%相当額」が上限と定められたもので、また、徴収するタイミングが、手数料徴収のタイミングの基礎である賃金支払日以降になっています。 - 届出制手数料
人材紹介会社が厚生労働大臣に届け出た額の手数料を徴収することができるものです。
届出制手数料は、殆どの人材紹介会社にて採用されている手数料となります。料率としては、「理論年収の30%〜40%」で設定している会社が多いですが、手数料の上限は50%と定められています。50%の求人は市場に多くはありませんが、幹部クラスや採用に苦戦しているポジションに対して、一部支払われることがあります。
求人票に記載すべき項目について
求人票についても規制が設けられています。ご自身で求人案件を獲得し、求人票を作成される際に以下のポイントを押さえましょう。
- 求人に記載すべき項目
-
- 業務内容
- 契約期間
- 試用期間の有無
- 就業場所
- 就業時間
- 休憩時間
- 休日
- 時間外労働の有無
(裁量労働制の場合、裁量労働制の種類と何時間分働いたものとみなすか記載が必要) - 賃金
(固定残業代が含まれる賃金の場合は、①基本給、②固定残業代の額と固定残業代に相当する残業時間の長さ、③その時間を超えた場合の割増賃金を追加するかどうかを記載する必要があります。) - 加入保険の内容
- 募集者の氏名または名称
- 派遣労働者として雇用する場合、雇用形態が派遣労働者である旨の記載
そのほかにも、例外を除き、募集にあたっての年齢制限、記載内容の労働条件の虚偽は禁止されております。また、試用期間中の労働条件が、本採用の労働条件と異なる場合は、それぞれ労働条件を明示しなければならないなどといったルールがあります。
平成30年1月1日、職業安定法が一部改正したことにより義務化されておりますのでご注意ください。
まとめ
今回は、人材紹介事業を進めるにあたって避けて通れない、職業安定法の内容について触れました。他にも規制は多数ありますが、今回は、入り口として押させておきたい内容をピックアップしました。人材紹介は、国から許可を取得して事業を行うビジネスです。これから人材紹介を始める方も、人材業界を初めて間もない方も、しっかり認識をして事業運営をしていただければと思います。
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