- 人材紹介のビジネスモデルを詳しく知りたい
- 人材紹介サービスのビジネスモデルの基本
- 人材紹介業のサービス形態は大きく3つ
- 人材紹介のビジネスモデルの問題点
- 人材紹介ビジネスの強みとは
- 人材紹介ビジネスで利益を上げる3つのポイント
- 近年の人材紹介ビジネスの業界事情
- 人材紹介成功はビジネスモデルが鍵
人材紹介のビジネスモデルを詳しく知りたい
新規事業の立ち上げを検討している人の中には、人材紹介業が気になっている人も多いのではないでしょうか。
新規事業の立ち上げで利益を上げるためには、まずは人材紹介業のビジネスモデルをきちんと理解しておきましょう。ビジネスモデルとは、事業が利益を上げる仕組みのことです。ビジネスモデルの構築は、事業者全体の利益向上に繋がります。経営方針や経営戦略は事業によって異なるため、人材紹介業に適したビジネスモデルの構築が大切です。
この記事では、人材紹介業のビジネスモデルをわかりやすく解説していきます。利益を上げるポイントもあわせて解説しているので、新規事業として人材紹介業を検討している人は参考にしてみてください。
人材紹介サービスのビジネスモデルの基本
人材紹介業の歴史は古く、江戸時代にはすでに存在していたといわれています。
従来は取り扱える職種に限りがありましたが、1999年に職業安定法が改正されたことをきっかけに原則自由化されました。
近年はライフスタイルの多様化により人材紹介業へのニーズが高く、多くの業種から注目が集まっています。ここでは、人材紹介業のビジネスモデルの基本を解説していきます。
人材紹介業は需要が増加している
働く世代の人口減少により人材不足が慢性化しているため、人材紹介会社への求人数は年々増加しています。新型コロナウイルスのまん延が始まった2020年であっても、増加幅は減ったものの求人数は増加しています。このような状況からビジネスチャンスとして、年々人材紹介会社(有料職業紹介事業)への参入数も増加を続けています。
※参考:厚生労働省
人材紹介業は求人者に求職者を紹介するビジネス
人材紹介は人材を求める企業からの依頼を受け、条件に合う人材を紹介するマッチングサービスです。人材紹介業は、企業と求職者の間に入る「コンサルタント」の役割を担います。企業と求職者の求める情報を知った上でマッチングするため、企業側、求職者側どちらにとっても効率良くマッチングを進めることができます。無事に求職者が採用された場合、求職者と企業が直接雇用契約を結びます。企業が求める人材がいない場合は紹介に至らないため、いかに幅広いジャンルでスキルの高い求職者を集められるかがポイントです。
▼人材業界業に向いている人の特徴を解説した記事はこちら▼
人材紹介業ではマッチングが成功した際の紹介手数料が利益となる
人材紹介業で得られる利益は、企業と求職者とのマッチングが成功した際の紹介手数料です。手数料は成功報酬型なので、求職者が企業に採用された際に発生します。
事業者が受け取れる手数料には、職業安定法によって上限制手数料と届出制手数料の2種類に区分されています。このうち、多くの事業者が採用しているのは届出制手数料です。これは求職者が得られる理論年収から割り出す仕組みとなっており、相場は30~35%です。
理論年収は、次のような計算式で算出します。
- 理論年収=毎月の給与×12カ月+賞与
(例)毎月の給与が20万、賞与が100万の求職者をマッチング成功した場合
- 理論年収=20万×12か月+100万=340万
紹介手数料は、次のような計算式で算出します。
- 紹介手数料=理論年収×0.3~0.35
(例)毎月の給与が20万、賞与が100万の求職者をマッチング成功した場合
- 紹介手数料=340万×0.3~0.35=102万~119万
例を見て分かるように、1名のマッチングに成功すれば、安定的に100万円以上の見込み収益が発生するのが、人材紹介業の売り上げの特徴です。
ただし、この紹介手数料には返金規定もあります。企業と求職者が雇用契約を結んだにも関わらず、諸事情によって求職者が早期に退職してしまうケースが該当します。このような場合には、入職から退職までの日数に応じた費用を紹介手数料から返金しなければなりません。
人材紹介サービスの運営にかかるコスト
どの事業にも言えることですが、運営していく上では様々なコストが発生します。人材紹介業は不良在庫を抱えるリスクなどがないため、コストを小さく運営することができます。コストにはイニシャルコスト(初期費用)とランニングコスト(継続費用)の2種類がありますが、ここではランニングコストについてご説明します。
▼イニシャルコストについてはこちらをご確認ください▼
ランニングコストには固定費と変動費がありますが、人材紹介業では次のようなものが当てはまります。
- 固定費:人件費やオフィス賃料
- 変動費:広告費やWebサイトの運営費
固定費は、勤務するスタッフの人件費とオフィスの賃料です。コンサルティングに関わるスタッフの人数によって固定費は変動しますが、100万円程度は必要だといわれています。
変動費は、求職者を集客するための広告費やWebサイトの運営費などです。人材紹介業を手掛ける事業者は多く、また求職者は大手に流れる傾向があるため、事業を立ち上げたばかりの頃は人材の確保が難題となります。競合他社との競争に打ち勝つためには、魅力ある広告を打ち出すことが求められます。そのために、広告費のコストが大きくなる場合も少なくありません。
人材派遣とのビジネスモデルの違い
人材サービスには、人材紹介と人材派遣の2種類があります。人材紹介業の新規事業を立ち上げるにあたって、人材派遣との違いを把握しておきましょう。人材紹介と人材派遣はどちらも企業が求める人材を確保するのは共通していますが、サービス内容や求職者との雇用形態、利益の得られ方などが異なります。たとえばサービス内容の場合、人材紹介業は採用に関する業務を代行するのに対し、人材派遣は社員の勤怠管理や就業フォローが含まれています。
次に雇用形態は、企業と求職者が直接雇用契約を結ぶ形です。一方の人材派遣は、人材派遣会社と求職者が雇用契約を結んだ上で企業に派遣します。そして、人材紹介業の利益は、企業と求職者のマッチングが成功した際に発生する紹介手数料がメインです。一方の人材派遣は、スタッフの時給や手数料などの派遣費用が派遣先の企業から支払われます。
人材派遣では、スタッフを派遣している間は安定した利益を得られます。しかし、人材紹介業はマッチングが成功しなければ利益を得られません。そのため、事業を立ち上げても軌道に乗るまでは、安定した収入を得ることは難しいでしょう。
人材紹介と人材派遣ではサービス内容や利益の得られ方が異なるため、それぞれに応じたビジネスモデルの構築が大切です。
下記は、人材紹介と人材派遣の違いをまとめた表です。
サービス | 人材紹介 | 人材派遣 |
---|---|---|
サービス内容 | 企業と求職者のマッチング 採用に関する業務を代行 |
企業と求職者のマッチング 社員の勤怠管理や就業フォロー |
利益の得られ方 | 紹介手数料 | 派遣費用 |
雇用形態 | 企業と求職者が直接雇用契約を結ぶ | 人材派遣会社と求職者が雇用契約を結んだ上で企業に派遣 |
▼人材紹介と人材派遣の違いについて解説した記事はこちら▼
人材紹介業のサービス形態は大きく3つ
人材紹介のサービス形態は、大きく分けて次の3つです。
- 一般登録型
- サーチ型
- 再就職支援型
ここでは、人材紹介の3つのサービス形態を解説していきます。
事業者がマッチングを行う一般登録型
一般登録型は事業者が企業から求人依頼と求職者の情報を収集し、企業の要件にあう人材を紹介するサービス形態です。
求職者にキャリアやスキル、希望条件など様々な項目を登録してもらい、そのデータベースの中から企業の要件に合った人材をマッチングする仕組みです。
このサービス形態は人材紹介事業ではポピュラーで、多くの事業者が採用しています。しかし、登録者の中に企業の要件にあう人材がいるとは限りません。
登録型は経営層や管理層の求職者は少ない傾向にあるため、一般登録型は現場での実務を担う実務層やミドル層の採用に適しています。
求人依頼に合った人材を見つけるサーチ型
サーチ型は企業の要望にあう人材を見つけ出し、求職者と企業をマッチングさせるサービス形態です。データベースだけでなく、SNS等も利用して人材を探します。
企業の要望に重点を置いているため、人材が在職中か求職中かは問いません。こういった特性からサーチ型はスカウトやヘッドハンティングとも呼ばれています。
そのため、サーチ型は経営層や管理層などミドル層以上の採用に適しています。サーチ型では年収が高い人材を対象としているため、より多くの紹介手数料が期待できます。場合によっては、手数料の他にコンサルティングに対して支払うコンサルフィーを設定している事業者もあります。
企業から依頼された人材を送り出す再就職支援型
ここ最近は様々な社会情勢の影響を受け、失業率が高水準を維持しているのが現状です。大手企業でも新卒採用を見送るなど、雇用環境の悪化は計り知れません。
引用:総務省
こういった場合にニーズが高まるのは、再就職を目指す人を対象にした再就職支援型です。これは諸事情によって人員削減を余儀なくされた企業からの依頼を受け、退職予定者の再就職先を探すことが目的です。
別名はアウトプレースメントとも呼ばれており、アメリカでは1980年代から取り入れられていたサービス形態です。
再就職支援型は一般登録型やサーチ型と異なり、実務層やミドル層などキャリアステージに関わらず、企業の諸事情による退職予定者すべての採用に適しています。
▼人材紹介ビジネスで成功するのは特化型かオールジャンル型か比較した記事はこちら▼
人材紹介のビジネスモデルの問題点
ここでは、人材紹介のビジネスモデルの問題点を解説していきます。
人材紹介業は利益が得られるまでにかかる時間が長い
人材紹介業のサービス形態は主に一般登録型とサーチ型、再就職支援型の3種類です。このうちポピュラーなのは一般登録型です。
しかし、一般登録型の場合、利益が得られるまでに時間がかかるといわれています。なぜなら、登録者の中に企業の要件にあう人材がいるとは限らず、すぐにマッチングが整わないこともあるからです。
人材紹介業の利益は、企業と求職者のマッチングが成功した際に発生する紹介手数料です。そのため、マッチングが成功するまでは利益がありません。人材紹介業は比較的低コストで運営できるといわれていますが、固定費や変動費などのランニングコストはかかり続けます。
人材紹介業の新規事業者は求職者や紹介先企業の確保が難しい
人材紹介業の目的は、企業の要件に合う人材の紹介です。そのためには、企業が求めるスキルや経験がある求職者をより多く集めなければなりません。
しかし、新規事業者は求職者や紹介先企業の確保が難しいといわれています。なぜなら、企業や求職者は実績が豊富で評判の高いサービスを利用したいと考えるからです。
自力で事業を運営する場合、他社よりも魅力のある独自サービスを展開する、積極的に広告を出すなどの工夫が求められます。
人材紹介業は安定したビジネス継続が難しい
人材派遣の場合、スタッフを派遣している期間は継続的に企業との付き合いがあります。一方、人材紹介業の場合、企業との付き合いは求職者が採用されれば終わりです。
同じ企業から継続して依頼があるとは限らないため、安定したビジネスの継続は難しいといわれています。
そのため、人材紹介業には取引先となる企業や求職者を探すための営業力が求められます。
人材紹介ビジネスの強みとは
人材紹介業はローコストで起業ができる
人材紹介業(有料職業紹介所)の資本金は、500万円以上が厚生労働省の認可申請条件です。
この他に、講習や登録といった認可に必要な経費として15万円程度かかりますが、人材派遣会社(労働派遣事業)の財務基準が2,000万円であることと比べると、初期投資がかなり少ないことがわかります。
人材紹介業は利益につながりやすい
人材紹介業は、人材を1件紹介するごとに報酬が得られるため、収益性の高さが強みのひとつとされています。具体的には、報酬は求職者の想定年収の30~35%程度が目安となっています。
もちろん報酬すべてが利益となるわけではなく、必要経費を差し引いて利益になりますが、平均の利益が1件おおよそ90万円とされており、売り上げ単価の高さがうかがえます。
人材紹介業は会社の規模にかかわらず参入しやすい
2017年の規制緩和により、オフィスの大きさにかかわらず人材紹介業に参入が可能となりました。
基準について詳しくは厚生労働省「有料職業紹介事業の許可基準」をご覧ください。
▼人材紹介の強みについて解説した記事はこちら▼
人材紹介ビジネスで利益を上げる3つのポイント
人材紹介ビジネスで利益を上げるポイントは、主に次の3つです。
- 社内で成功事例を共有して業務の改善を図る
- 収入源を複数作る
- 人材紹介のサポートサービスを活用する
ここでは、人材紹介ビジネスで利益を上げるポイントを解説していきます。
社内で成功事例を共有して業務の改善を図る
人材紹介ビジネスで利益を上げるポイントは、社内で成功事例を共有して業務の改善を図ることです。
求職者と企業のマッチングを手掛けるコンサルタントは、人によってスキルや経験が異なります。一人ひとりの成功事例の共有は、スキルや経験が少ないコンサルタントがいる場合でも成果アップが期待できます。
また、成功事例の共有はコンサルタントの育成期間の短縮に繋がったり、一人ひとりが何をすべきかを把握しやすくなったりします。業務の効率化の観点からも社内での事例共有は大切なポイントです。
収入源を人材紹介ビジネスだけでは無く複数作る
人材紹介ビジネスで利益を上げるポイントは、収入源を複数作ることです。
これまでに解説したように、人材紹介での利益の大部分は企業と求職者のマッチングが成功した際に得られる紹介手数料です。
しかし、マッチングが成功するまでにはどのくらいの期間を要するか不透明で、人材紹介は景気の影響を受けやすいといわれています。もしも、マッチングの成功率が下がったり、不景気が続いたりすると事業の継続が難しくなることが懸念されます。
そのため、新規事業として人材紹介を立ち上げる場合は、景気の影響を受けにくいビジネスと並行して行うとよいでしょう。
たとえば、同じ人材紹介でも医療や介護、物流などのエッセンシャルワーカーに特化した事業は、景気の影響を受けにくいといわれています。
人材紹介業のサポートサービスを活用する
人材紹介ビジネスで利益を上げたいなら、人材紹介サービスに特化したサポートサービスを活用するのも手段の1つです。
このようなサービスは数多くありますが、その中でもおすすめなのはクラウドエージェントです。クラウドエージェントの導入企業は9,000社で、常時8,000件以上の求人データベースを利用可能です。
この他に、企業や求職者の情報を一元管理できる業務管理ツールや、事業を成功に導くためのノウハウの提供を受けられます。
実績豊富な専任コンサルトが在籍しているため、人材紹介ビジネスの業務に関するアドバイスも受けられます。詳しいサービス内容が知りたい人は、クラウドエージェントのホームページから資料請求してみてください。
近年の人材紹介ビジネスの業界事情
時代の流れとともに、人材紹介ビジネスを取り巻く業界事情は変化しています。ここでは、人材紹介ビジネスの近年の業界事情を解説していきます。
人材紹介ビジネスの市場規模
人材紹介ビジネスの市場規模は、2019年度で3,080億円です。人材派遣を含めた業界全体では、7兆円を超えています。市場規模が年々上昇傾向にあった人材紹介ビジネスですが、2020年度は市場規模の縮小が懸念されています。
引用:矢野経済研究所
2020年は、様々な業種の市場規模に新型コロナウイルス感染拡大の影響があったからです。
失業率が高い水準を維持する中、企業は新卒や中途などの採用活動を控える傾向にあります。
そのため、人材紹介ビジネスを取り巻く環境は今後の見通しが不透明さと言わざるをえません。
人材紹介ビジネスの大手とは
人材紹介ビジネスは会社の規模を問わず手掛けている事業者は多いため、競争率が高い業種の1つです。
事業者には、様々な業種の求人を保有する総合タイプと医療や介護など専門職種に特化した専門タイプの2種類があります。
このうち総合タイプの事業者は大手が多く、求職者や企業へのサポート実績も豊富です。大手には次のような事業者があります。
- リクルートエージェント
- パソナキャリア
- マイナビエージェント など
総合タイプで事業を始める場合、大手にはない独自路線の戦略が求められます。
人材紹介成功はビジネスモデルが鍵
人材紹介の市場規模は2019年度までは拡大傾向にありましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり今後の見通しは不透明です。
人材紹介を手掛ける事業者は数多く、求職者や企業は実績が豊富な大手に流れる傾向が高いです。
また、人材紹介の利益は成功報酬型なので、軌道に乗るまでは苦しい経営状況になる可能性も懸念されます。そのため、新規で人材紹介ビジネスを立ち上げても、簡単に成功するとはいえないのが現状です。
人材紹介ビジネスで成功をおさめるためには、競合他社にはない独自のビジネスモデルの構築が重要です。人材紹介ビジネスを成功させるために、クラウドエージェントのような人材紹介サービスに特化したサポートサービスの利用も考えてみましょう。
人材紹介事業は、ここ数年右肩上がりで拡大をしている市場の一つですが許認可の取得には様々な要件があります。
『人材紹介の免許取得マニュアル【完全版】』では、免許申請時につまずくポイントを中心に、できる限り労働局に数度足を運ぶ必要がないよう詳しく解説しています。ぜひ人材紹介の効率的な免許取得にお役立てください。
こんなお悩みはありませんか?
- 求人開拓にかける工数がない…
- 法人営業(テレアポ etc)が難しい…
- 大手紹介会社に比べてブランド力が弱く集客が不安
- 人材紹介の基本を1から知りたい
そのお悩み、
クラウドエージェントが解決します!
創業18年で培った豊富なノウハウをご提供
- 登録求人数9,000件以上がすぐに使える!
- 7割がクラウドエージェント独自開拓の転載可能求人で集客に利用できる
- テクニカルサポートの対応満足度90%以上で安心!
この記事へのコメントはありません。