広告の費用対効果は、どのように求人をおこなうかという手段によって変わります。よく活用されているのは、転職サイトやスカウトメールです。
転職サイトは費用がかかりますが、求人広告を作成したあとは待つだけなので、時間を取られません。スカウトメールは、それほど費用がかかりませんが、時間を取られます。
人材紹介会社は、求人以外にもさまざまな業務を抱えています。そのため、求人にかける予算や時間を最大限に抑えつつ、効果を上げたいというのが担当者の本音でしょう。それらを踏まえて、昨今ではIndeedやリスティングが注目されはじめています。
本記事では、人材紹介会社にとって有用な広告手法や、広告を打つ際のポイント、Indeedやリスティングの運用方法などを解説します。
- 人材紹介会社が募集を強化する理由
- 人材紹介会社が広告を運用する際のポイント
- 人材紹介におすすめの広告手法
- Indeedの活用の仕方
- リスティング広告の活用の仕方
- Indeedとリスティング広告を集客に活用しよう
人材紹介会社が募集を強化する理由
利益を上げようと思ったとき、人材紹介会社ができることは限られています。求職者の開拓、契約を結んでくれる企業の開拓、求職者と企業間のマッチング率向上、経費の削減などです。ここでは、求職者の開拓を中心に解説していきます。
人材紹介会社の利益は、成功報酬型です。どれだけ時間を費やしても、求職者を紹介しただけでは一円にもなりません。紹介した人材が採用され、入社日を迎えてようやく報酬が入ります。
そのため、より利益を出すには、求職者を1名でも多く集める必要があります。母体数が多いほど入社に至る可能性が高まるからです。
大手の人材紹介会社は資金が潤沢なので、求職者の開拓にお金をかけられます。多額の資金を広告費につぎ込んでも、多くの求職者を囲い込めれば、成功報酬にたどり着き利益が発生します。中にはエンジニアを雇ったり、募集マーケティング専用の部署を立ち上げたりして、求職者の開拓に力を入れている企業もあります。
しかし、中小の人材紹介会社はそうはいきません。限りある資金と時間を使って、募集広告の費用対効果を最大限上げる必要があります。従来の方法を追っているだけでは、資金を持つ大手人材紹介会社に太刀打ちできないのです。可能ならIndeedやリスティング広告といった、新しい手法にも挑戦してみましょう。
人材紹介会社が広告を運用する際のポイント
「広告を打ったけれども、あまり効果がなかった」というのなら、広告運用のポイントを押さえていなかったのかもしれません。ここでは、人材紹介会社が知っておくべき広告運用のポイントを解説します。
目的・目標・予算をそれぞれ決める
広告に限らず、どのような仕事にも目的があります。まずはこの「目的」を明確にしましょう。人材紹介会社の場合、目的は「入社までたどり着く求職者の確保」です。
次に、目的に沿って目標や予算を決めます。集まる候補者の数が多ければ多いほど、採用される確率は高くなります。そのため、この目標には「求人広告により応募してくる人数」を設定してもよいかもしれません。
そして、その人数を集めるためにどれくらいの予算を割けるのか、その予算内で集客するにはどのような媒体が適しているのかを具体的に考えていきます。
この「目的」「目標」「予算」がぶれないことが、広告を打つ上での基本的なポイントです。
他社との差別化を意識する
自社サイトに登録してもらえれば、求職者とのコネクションができて、スカウトメールも配信しやすくなります。そのために広告を打って、自社サイトへ誘導するのもよいでしょう。
しかし、国内には2万を超える人材紹介会社があり、同様のことを考えています。そしてこの業界の市場のほとんどを大手数社が占めています。
中小企業が参入していくためには、他社との差別化を図らなければなりません。そのためには、自社の強みやコンセプトを明確にし、広告に反映させる必要があります。
もしも「エンジニア専門」や「看護師に強い」など専門・特化型の会社ならば、「技術系の案件豊富」のように、広告にもしっかり強みを打ち出しましょう。
広告以外の集客ルートも考えて運用する
集客方法は、一つにしぼる必要はありません。多くの人材を集めるために打てる手は打つとよいでしょう。転職サイトのような外部サービスではなく、自社メディアやSNSなどによる集客方法もあります。
転職を考えているエンジニアなら、「エンジニア 転職」といったキーワードで検索するかもしれません。それを想定し、GoogleやYahoo!の検索で自社サイトが上位に出てくるようにして求職者を誘導します。
検索上位に上げる対策は、素人では難しいので、信頼できるWebマーケティング専門の業者に依頼して、SEO対策をするとよいでしょう。
人材紹介におすすめの広告手法
人材紹介会社が活用する広告手法には、主に以下のようなものがあります。
- スカウトメール
- 自社LP(ランディングページ)
- オウンドメディア集客
- sns
「スカウトメール」は、多くの人材紹介会社が活用している手法で、転職サイトや自社サイトに登録している人に向けてスカウトのメールを配信します。効果を出すには、かなりの数のメールを打つ必要があります。
「自社LP」は、エージェントや転職相談の実績を記載したWEB上のページで、このページを訪れた訪問者を転職相談に導きます。訪問者が転職相談するというアクションを取ってくれるように、ページを工夫する必要があります。
「オウンドメディア集客」とは、GoogleやYahoo!で検索した人を自社サイトへ誘導する手法です。転職を考えている看護師なら「看護師 転職」などのキーワードで転職先を探すかもしれません。それを想定して、検索上位に自社サイトが出るようにSEO対策を取ります。SEO対策は、専門家に依頼したほうが高い効果が出るでしょう。
「sns」は、Twitter、フェイスブック、Lineなどを運用して、求職者との接触を増やす手法です。
このように、転職サイト掲載やスカウトメール以外にもさまざまな手法があります。次は、注目度が高まっているIndeedやリスティング広告について見ていきましょう。
Indeedの活用の仕方
Indeedは、求人検索エンジンです。ここでは人材紹介会社におけるIndeedの活用方法について解説します。
人材紹介会社がIndeedを広告に活用するメリット
さまざまな集客方法がある中で、なぜIndeedが注目を集め始めているのかというと、さまざまなメリットがあるからです。利用者数や費用について紹介します。
利用者が多いので広告の効果が大きい
Indeedを訪れるユニークビジター数は、世界全体で月間2億5,000万人に及びます。日本のみでも月間平均訪問数が3,000万人以上なので、求人を載せることができれば非常に広告の効果が高いといえます。
また、外国人求職者もよく利用しているため、多言語展開をすれば外国人に対しても簡単にアプローチができます。
無料で広告が掲載できる
転職サイトに求人を掲載する場合、数十万~百万円以上の費用がかかります。また、採用できればよいですが、効果が出なければ費用がムダになってしまいます。
その点、Indeedは転職サイトではなく求人検索エンジンなので、ガイドラインに適している求人は無料で広告掲載することができます。
Indeedは「We help people get jobs(人々の職探しを手伝う)」をミッションとしています。少しでも多くの求人情報を収集するためのシステムになっているので、人材紹介会社も参入しやすいでしょう。
また、検索順位を上げるために、有料掲載を選択することもできます。
Indeed活用の流れ
広告掲載までの流れはとても簡単です。掲載方法には「Indeedに求人ページを読み込ませる」、「Indeed内で求人を直接作成」の2種類があります。好みの方法を選びましょう。
また、Indeedのガイドラインにより、人材紹介会社に掲載されている求人は無料掲載欄に出せません。人材紹介会社がIndeedを活用する際には、有料設定をすることになります。
無料掲載と有料掲載、それぞれの流れは次の通りです。
無料掲載の流れ
- アカウントを作成
- 求人情報を掲載(2種類から選択)
有料掲載の流れ
- アカウントを作成
- 求人情報を掲載(2種類から選択)
- 予算額の設定
予算額の設定には、「自動調整設定」と「手動設定」の2種類があります。自動調整は、予算を入力しておけばその予算内で有料掲載されます。手動設定を選択すると、クリック単価の上限や求人広告予算を手入力で設定できます。
Indeedを効果的に活用するためのポイント
競合も多いIndeedで集客するには、掲載のコツをつかんで最大限に媒体を活かす必要があります。ここでは、Indeedを利用する際のポイントを紹介します。
有料掲載にする
Indeedは無料掲載できますが、注意点もあります。日本全国の求人情報を扱っているので、その中で注目されるためにはIndeed内で上位検索されなければいけません。集客効果をあげるには、有料掲載(スポンサー求人)で優先順位を上げるとよいでしょう。
また、費用は転職サイトのような定額制ではなく、クリック課金型です。求人広告がクリックされるごとに課金されますが、逆をいえばクリックされるまでは費用がかかりません。1クリック辺りの価格は15~1,000円までの範囲で設定可能です。
相場は、建築や介護で50~200円ほどですが、価格は業界や職種などによって異なります。
Featured Employer広告を利用する
Indeedの検索画面上に、企業ロゴや口コミなどを掲載する方法があります。これを「Featured Employer広告」といいます。
このロゴをクリックすると、その企業のIndeed内のページに移動するので、より求職者の目に留まりやすくなります。
掲載条件は次の通りです。
- Indeedにて有料掲載
- Indeedが定めた一定額を超える広告費を前月に消費している
条件を満たした場合には、Indeedのサポートから連絡が来ます。Featured Employer広告掲載の手順に進むのはそのあとでよいでしょう。
リスティング広告の活用の仕方
リスティング広告とは、「検索ワード」に連動して掲載される広告です。ここでは、人材紹介会社におけるリスティング広告の活用方法について解説します。
人材紹介会社がリスティング広告を活用するメリット
さまざまな集客方法の中で、リスティング広告が注目を集め始めています。まずは、リスティング広告を活用するメリットについて見ていきましょう。
コンバージョン率を高めることができる
コンバージョン率とは成果達成率のことです。人材紹介会社なら、サイト訪問者の中で実際に求人に応募したり転職相談をおこなった人の割合を示します。
リスティング広告は、GoogleやYahoo!で「転職 求人」などのキーワード検索をしたような、転職意識の高い人が目にすることになる広告です。そのためコンバージョン率が高くなります。
広告効果を分析できる
新聞広告では、掲載したあとの分析ができません。実際に何人くらいの人に読まれたかなど、詳しい状況を調べることができないからです。
しかし、リスティング広告の場合は、広告効果を分析し、それを次回に活かすことができます。リスティングで分析できる内容には表示回数、クリック数などがありますが、効果測定する上で特に注目したいのは以下の5つです。
- インプレッション数
- コンバージョン率(CVR)
- クリック率(CTR)
- クリック単価(CPC)
- 顧客獲得コスト(CPA)
リスティング広告は、掲載して終わりではありません。数値を分析し、より高いコンバージョン率を目指して改善をしていきましょう。
リスティング広告活用の流れ
リスティング広告の掲載自体は難しくありません。まず、リスティング広告を始める前に決めておくことは次の通りです。
- リスティング広告の集客先(求人ページや自社サイトなど)
- 予算
- キーワード
- 出稿先
出稿方法は、入札単価を決めてコンバージョンタグを埋め込むだけです。入札単価は、出稿後に分析結果を見ながら変更できます。
リスティング広告を効果的に活用するためのポイント
リスティング広告で集客するには、掲載のコツをつかんで媒体を最大限に活かす必要があります。ここでは、リスティング広告を活用する際のポイントを紹介します。
ターゲットを絞って広告の質を上げる
リスティング広告を成功させるコツは、ターゲットを絞ることです。性別、年齢、業界・職種、地域などをはっきりさせて、ターゲット層の心に響く文言を入れましょう。万人向けの言葉は、結局だれの心にも響きません。
たとえば、「意欲ある20代から30代」と曖昧に記載するよりも、「オーガニック化粧品の営業に興味ある第二新卒」のように、具体的な方がターゲットを惹きつけます。
また、Yahoo!とGoogle、どちらのリスティング広告を活用するかについてもあらかじめ決めておきましょう。看護師のような女性が多い職種は、主婦層がよく利用しているYahoo!が向いています。
逆に、エンジニアの転職情報を掲載したいのなら、IT系の人が多く活用しているGoogleのリスティング広告がおすすめです。
人材紹介会社が狙うべきキーワードを選ぶ
SEO対策をすれば、より効果的です。どのような文言の入った文章が検索上位になるか調べるためは、Googleに広告掲載をしているひと向けの「キーワードプランナー」、無料版のある「Keywordmap」や「Keyword Surfer」、「Ubersuggest」などのツールを使うとよいでしょう。
使い方は簡単で、「転職」というキーワードを入力すると「無職転生、転職サイト、転職エージェント」などのサジェストキーワードを検索することができます。
Indeedとリスティング広告を集客に活用しよう
これまでは、転職サイトへの掲載やスカウトメールといった手法が一般的な集客方法でしたが、昨今では新しい手法を使って集客する人材紹介会社が増えてきました。
その中でも、予算をそれほどかけずに試すことができるIndeedやリスティング広告が注目されています。活用する際には、曖昧な表現を避け、ターゲットを絞った文言を入れるのがポイントです。
また、集客ができるようになってきたら、会社の収益を上げるためにも求人開拓を進めていく必要があります。その際には、8,000件以上の求人データベースを持っているクラウドエージェントのような、人材紹介サービスを活用するとよいでしょう。
広告で求職者を集めることができても、求人数が少なくては転職活動を成功に導けないかもしれません。クラウドエージェントを利用すれば、登録後すぐに豊富な求人を閲覧でき、多くの選択肢の中から求職者に合った仕事を紹介できるので、求人開拓する手間を削減しながら、スムーズな転職サポートが実現できるでしょう。
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