人材紹介会社のためのIndeed活用術:求職者集客の効果を高める実践ガイド

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はじめに:Indeed、人材紹介会社の集客ツールとしてどう活かす?

Indeedを日々の業務で活用されていますか? Indeedは、日本国内でも有数の月間訪問数を誇る巨大な求人プラットフォームであり、多くの求職者に利用されています。
しかし、「Indeedは採用企業が使うものでは?」「人材紹介会社が使っても効果が出るの?」「運用しているけど、なかなか応募が増えない…」といった疑問や悩みを抱えている担当者様も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな人材紹介会社の担当者様に向けて、Indeedを求職者集客の強力なツールとして活用するための実践的なノウハウを解説します。Indeedの基本的な仕組みは理解している前提で、人材紹介会社ならではの活用ポイント、成果を出すための具体的な運用方法、そしてよくある課題とその解決策に焦点を当てていきます。

人材紹介会社が押さえるべきIndeedの基本ルールと特性

Indeedを効果的に活用するためには、まず人材紹介会社に適用されるルールとプラットフォームの特性を再確認しておくことが重要です。

有料掲載(スポンサー求人)が基本

人材紹介会社がクライアント企業の求人(紹介案件)を掲載する場合、原則として無料掲載の対象外となり、有料の「スポンサー求人」を利用する必要があります 。これはIndeedが求職者体験を重視し、直接採用企業の求人を優先する方針 をとっているためです。

クリック課金(CPC)モデル

スポンサー求人は、求人がクリックされるごとに費用が発生するクリック課金制です 。クリック単価は、他の求人との競合状況などに応じて変動するオークション形式で決まることが一般的で、予算(日額・月額上限)を設定して運用します。

運用型広告であること

Indeedは掲載して終わりではなく、効果測定と改善を繰り返す「運用型広告」です 。効果を出すためには継続的な分析と改善活動が不可欠です。

透明性の確保

Indeedの利用規約や掲載基準において、人材紹介会社は求職者に対して自社が人材紹介会社であることを明確に伝え、採用企業自身が直接募集しているかのような誤解を与える表示を避けるよう定められています。

ガイドラインの遵守

求職者への費用請求禁止、正確な情報提供、差別的な表現の禁止など、Indeedには詳細な掲載基準や利用規約があり、これらを遵守することが求められます。規約違反が確認された場合、アカウント停止などの措置が取られる可能性があるため注意が必要です。

これらのルールを前提として、Indeedを戦略的に活用していく必要があります。

なぜIndeedで成果が出ない? よくある課題と解決の方向性

「Indeedを使っているのに、期待したほどの応募が集まらない」という場合、いくつかの共通した課題が考えられます。自社の状況がどれに当てはまるか確認し、対策を検討しましょう。c

課題1:求人が見られていない(表示回数が少ない)

原因
求人タイトルや本文に含まれるキーワードが、求職者の検索意図と合っていない。予算設定が低すぎる、またはクリック単価の入札が弱すぎる。キャンペーン設定が最適でない(例:求人数が少なすぎる)など。
解決の方向性
求職者が実際に使うであろうキーワード(職種名、スキル、勤務地、待遇など)を調査し、求人票に盛り込む(Indeedのサジェスト機能も活用しましょう)。予算や入札単価を見直す。キャンペーン構成を最適化する(例:関連案件を集約する)。

課題2:求人は見られているが、クリックされない(クリック率(CTR)が低い)

原因
求人タイトルが魅力的でない、または他の求人(特に直接採用企業の求人)に埋もれてしまっている。ターゲットと異なる求職者に表示されている。
解決の方向性
求職者の興味を引くような、具体的で魅力的なタイトルを作成する。給与や休日、勤務形態、重要なスキルなど、求職者が重視する情報をタイトルに含めることを検討する。ターゲット設定を見直す。

課題3:クリックはされるが、応募に至らない(応募率(CVR)が低い)

原因
求人情報の詳細(仕事内容、条件、企業の魅力など)が具体的でない、または魅力が伝わっていない。応募フォームが複雑で入力が面倒。求めるスキルや条件のハードルが高すぎる。タイトルと求人内容に乖離がある。
解決の方向性
仕事内容や働くメリットを具体的に記述し、求職者が働くイメージを持てるようにする。応募フォームを簡略化する(EFO)。必須条件と歓迎条件を明確に分け、応募のハードルを適切に設定する。求人票全体で一貫性を持たせる。

課題4:応募は来るが、質が低い(採用に至らない)

原因
求人情報で求める人物像が明確に伝わっていない。ターゲット外の求職者にも広くアピールしすぎている。
解決の方向性
求めるスキル、経験、人物像を具体的に記述する。タイトルや求人情報で、ある程度のスクリーニング効果を持たせる(例:「〇〇経験必須」など)。

これらの課題を特定し、一つずつ改善していくことがIndeed運用の鍵となります。

応募を増やす! 人材紹介会社のための求人票作成テクニック

Indeedで成果を出す上で、求人票の質は決定的に重要です。人材紹介会社ならではの視点を活かし、候補者の心をつかみ、直接採用企業の求人とも差別化できる求人票を作成しましょう。

ターゲットを明確にした職種名

  • 職種名は、求職者が実際に検索で使用すると想定される、一般的かつ具体的な言葉を選ぶことが基本です。
  • ターゲットに響くキーワード(スキル、経験、働き方など)を戦略的に盛り込みます。例:「【リモート可】Webマーケター(経験3年以上)」
  • クリック誘発目的の過度な装飾は避け、簡潔にまとめます。Indeedの表示文字数も意識しましょう。

働く姿がイメージできる具体的な仕事内容

  • 「何を」「誰に」「どのように」行う仕事なのか、日常業務を具体的に記述します。曖昧な表現はミスマッチの元です。
  • 箇条書きや小見出しを活用し、スマートフォンでも読みやすい構成を意識します。
  • 人材紹介会社の付加価値: クライアント企業の事業内容、文化、働く環境、仕事のやりがい、キャリアパスなどを、客観的かつ魅力的に補足説明することで、求職者の理解を深め、直接採用企業の一般的な求人との差別化を図ります。

ミスマッチを防ぐ「求める人物像」

  • 必須スキル・経験と歓迎スキル・経験を明確に区別して記載します。
  • 単なるスキルだけでなく、どのような志向性や価値観を持つ人が活躍できるかを記述すると、カルチャーフィットの精度が高まります。

安心感を与える正確な労働条件

  • 給与(具体的な範囲提示推奨)、勤務時間(残業時間含む)、休日、福利厚生 などは正確かつ詳細に記載します。
  • 勤務地も正確に記載しましょう。

求人票は一度作ったら終わりではありません。後述する効果測定の結果を見ながら、タイトルや内容を継続的に改善していくことが重要です。

Indeed運用の実践:効果測定と改善のサイクル(PDCA)

Indeedで継続的に成果を出すためには、データに基づいた効果測定と改善活動(PDCAサイクル)が不可欠です。

Plan (計画)

  • 目標設定:どの案件で、いつまでに、何件の応募を獲得したいか、目標CPA(応募単価)はいくらか、具体的な目標を設定します。
  • キャンペーン設計:案件の特性(職種、エリア、難易度、緊急度など)に応じてキャンペーンを構成します。クリック単価が大きく異なる案件は分けるのが基本です。
  • 予算配分:設定した目標とキャンペーン構成に基づき、予算を配分します。

Do (実行)

  • 計画に基づき、求人票を作成・掲載し、スポンサー求人の運用を開始します。

Check (評価)

  • データ収集:Indeedアナリティクス 1 や連携しているATSを活用し、以下の主要指標を定期的に確認します。
    • 表示回数:リーチの広さ。
    • クリック数:初期関心の量。
    • クリック率(CTR):求人タイトルやターゲット設定の魅力度・関連性を示す指標。
    • 応募完了数(CV):中間目標の達成度。
    • 応募完了率(CVR):広告全体や応募プロセスの効果。
    • 応募単価(CPA):応募獲得の費用対効果。人材紹介会社にとって最重要指標の一つ。
    • 採用単価(CPH):最終的なROIを示す指標。ATS/CRM連携が不可欠。
  • 分析:目標値と実績値を比較し、どの指標に課題があるか(例:CTRは高いがCVRが低い)、どのキャンペーンや求人票が効果的か、などを分析します。

Act (改善)

  • 分析結果に基づき、具体的な改善策を実行します。
    • 表示回数改善:キーワード見直し、予算・入札調整、キャンペーン構成変更。
    • CTR改善:タイトル修正、ターゲット見直し。
    • CVR改善:求人票の詳細内容改善、応募フォーム簡略化、応募条件見直し。
    • CPA/CPH改善:上記改善に加え、費用対効果の悪いキャンペーンやキーワードの停止・調整。
    • 応募の質改善:求める人物像の明確化、スクリーニング要素の追加。

このPDCAサイクルを継続的に回すことで、Indeed運用の精度を高め、より効率的な求職者集客を実現できます。

まとめ:Indeedを戦略的に活用し、集客力を強化しよう

Indeedは、人材紹介会社にとって強力な求職者集客ツールとなり得ます。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、単に求人を掲載するだけでなく、戦略的な視点での「運用」が不可欠です。

  • 人材紹介会社特有のルール(有料掲載原則など)を理解する。
  • 求職者の視点に立ち、具体的で魅力的な求人票を作成し、直接採用企業との差別化を図る。
  • データに基づいた効果測定と改善(PDCA)を継続的に行う。CPAやCPHといった最終的な成果指標を意識する。
  • よくある課題を把握し、適切な対策を講じる。

これらのポイントを押さえ、Indeedを能動的に活用していくことで、集客力を強化し、事業成長につなげることができます。まずは、現在運用している求人票の見直しや、効果測定の習慣化から始めてみてはいかがでしょうか。

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辻本哲宏

大学卒業後、ファッション系ECサイト運営会社にてCS、バイヤー職を経験。
その後、総合人材サービス会社に転職後、キャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーに従事し、20〜40代の営業系職種をメインに、年間約400名の転職相談、約30社の企業採用支援を担当。

その後、海外現地在住の高度外国人材採用支援サービスの大阪立ち上げに参画し、企業の高度外国人(主にエンジニア)採用支援にも従事。

groovesでは人材紹介事業での独立開業コンサルティング業務を経験し、現在は人材紹介会社様へのCrowd Agent導入をご支援。
得意領域は20〜40代の営業系職種。

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