ここ数年、SNSを活用して採用・広報活動を行う企業はますます増えてきています。
そのため、ソーシャルリクルーティングは自社に登録する求職者を増やすことを考えている人材紹介業の人事、マーケター、経営者であればおさえておきたい採用手段の一つです。
そこで本記事ではソーシャルリクルーティングのメリットやデメリット、活用方法を詳しく解説します。
- ソーシャルリクルーティングとは
- ソーシャルリクルーティングのメリット
- ソーシャルリクルーティングのデメリット
- 人材紹介に活用する際のポイント
- よく知られているSNSとそれぞれの特徴
- ビジネスに特化したSNSとそれぞれの特徴
- ソーシャルリクルーティングで業務の効率化が図れる
- ソーシャルリクルーティングは人材紹介にも役立つ採用方法
ソーシャルリクルーティングとは
そもそもソーシャルリクルーティングとはどんなものなのでしょうか。
ソーシャルリクルーティングとは、twitter、Facebook、YouTubeなどを活用した採用活動のことをいいます。SNSの投稿から、その人の仕事の適性や価値観、スキル、趣味などを見ることができるので、自社にマッチングした人材を探せます。
企業から求職者にアプローチするという意味ではダイレクトリクルーティングと似ていますが、ダイレクトリクルーティングとの違いはソーシャルリクルーティングではSNSのみを使うというところです。ダイレクトリクルーティングはSNSを含む、求職者と直接コンタクトをとるすべての採用手段を指します。
ソーシャルリクルーティングのメリット
ソーシャルリクルーティングには様々なメリットがあります。ここではソーシャルリクルーティングを活用すると得られるメリットを紹介します。
費用が安い
ソーシャルリクルーティングを行うメリットとしてあげられるのが採用コストの削減です。
株式会社マイナビの「マイナビ中途採用状況調査2020年版」によると、2019年の中途の人材紹介の実際の採用費用は108万円~479万円、中途の求人広告の費用は86万円~197万円かかるそうです。
一方、TwitterやFacebookなどのSNSは無料で使うことができます。ソーシャルリクルーティングを自社で行い、そこだけで採用活動に成功すると求人広告の費用と人材紹介の費用はかけなくてよくなるため大幅な採用コストの削減につながります。
履歴書にはない情報が得られる
履歴書の内容がしっかり書かれていても、書類の枠の関係上、限られた情報しか記載できません。そのためその人の人間性をしっかりと把握できずミスマッチを起こしてしまうこともあります。
一方、SNSの投稿は、自由に発信できる分、求職者が普段どのようなことをしているのか、どのようなことを考えているのか、といったことを履歴書よりも詳細に調べることができます。そのため自社の社風に合っているか、ポテンシャルがあるのかどうかを知ることにもつながり、求職者とのミスマッチも防げるようになります。
求職者と気軽にコンタクトが取れる
SNSではコメント欄やDM機能があるため企業側は求職者に比較的気軽にコンタクトがとれます。そのため、優秀な人材が同業他社の選考を受ける前に先にアプローチをしたいと考えている場合には効果的です。企業側がSNSで発信をし続けていると、求職者からメッセージをもらえて、そこから採用に結びつく可能性もあります。
また面接前にSNSで企業と求職者がお互いに何度かやりとりをしていると、情報を共有している分、その後の選考もスムーズに進めやすくなり、採用にも結びやすくなります。
また同業者と気軽に意見交換ができるのもメリットです。採用活動の中でうまくいかないことがある時には、同じ悩みを持っている同業者と交流することで、解決のヒントをもらえることもあるでしょう。
ソーシャルリクルーティングのデメリット
ここからはソーシャルリクルーティングのデメリットについて紹介します。ソーシャルリクルーティングを行う際はメリットだけでなくデメリットも頭に入れて、リスクヘッジに努めましょう。
常に情報の更新が必要
SNSのアカウントは更新頻度が高く、常に最新情報をユーザーに提供することで信頼性が高まります。
逆に言えば、新しい情報を更新しないと、今後情報が更新されないと求職者に思われてしまい、今後アカウントを見てもらえなくなる可能性もあります。また情報が古いと間違った情報が広まったり、誤解が生じたりするリスクもあります。
そのため企業はSNS上の情報を更新し続ける必要があるため、社内で負担使用するとそれなりに労力がかかる点がデメリットとしてあげられます。
一度に大勢は採用できない
ソーシャルリクルーティングは採用前にお互いのことを知れる点では魅力的ですが、その反面、多くの人にアプローチできなかったり、信頼関係を作るにはある程度の時間が必要だったりします。
そのため一度に大勢の人を採用したいと思っている場合や、急遽人手が欲しいという場合にはあまり向いていません。
状況や目的に合わせてソーシャルリクルーティングが採用手段として本当に適切かどうかを都度判断する必要があります。
会社のイメージに影響を与える可能性がある
SNSは求職サイトなどとは違い、誰でも気軽にコメントが書けます。そのため、仮に誤った投稿や本来の意図と異なる伝わり方をした投稿があると、コメント欄などで「炎上」をしてしまうリスクがあります。また、SNSは拡散性も高いため、閲覧者に問題の投稿を拡散させてしまうと会社のイメージを損ないかねません。
そのため、不適切な投稿や炎上を防ぐには企業アカウントの投稿を事前に精査しなければいけません。
また、投稿後もアカウントの状況を常にチェックし続けるオペレーションを組む必要があります。
人材紹介に活用する際のポイント
ソーシャルリクルーティングは人材紹介業で求職者を見つけるために活用することもできます。ここではソーシャルリクルーティングを人材紹介に活用する際のポイントを解説します。
必要ならば運用代行を依頼する
ソーシャルリクルーティングで一定以上の成果を上げるにはSNS運用のスキルが必要です。専門スキルがない状態でSNSを使っても、期待通りに成果が上げられない可能性があります。そのため、自社のリソースではSNS運用が難しい場合は、運用代行を利用するのもひとつの手です。
運用代行に依頼すれば、質の高い運用を代行して行ってくれます。自社にリソースがない場合や運用成果の高さを求めたい場合には、運用代行に依頼することも検討してみましょう。
責任者を決める
社内でSNSを管理する場合は、情報の更新を怠らないようにあらかじめ責任者を決めておくようにしましょう。責任者を決めSNSの管理を任せることで、軽率な発言や炎上につながる投稿でないか精査をする意識を持つことにもつながります。
また、責任者として抜擢されると当事者意識から情報を常に更新するある種の強制力が働くことになります。「誰かがやってくれる」という状態を避けるためにも更新者を決めておくことはおすすめです。
よく知られているSNSとそれぞれの特徴
ソーシャルリクルーティングを始める前に、それぞれのSNSの特徴をおさらいしていきましょう。SNSごとにユーザーの年齢層や投稿できるコンテンツの形式が異なるため、目的に合った適切なSNSを選択するようにしてください。
Twitterは140程度の文章や画像、映像を投稿できるSNSです。140字程度ということから、ブログより気軽に情報が発信できるのが魅力です。
またリツイートという投稿を拡散できる機能があるので、注目される投稿をすれば不特定多数の人に情報を広げられます。特に10代と20代が良く使っているSNSなので、若年層にアプローチしたいときにおすすめです。
個人のアカウントだけでなく、企業アカウントも存在しており、企業の認知度を広めるなど企業の採用活動やマーケティングにも活用されています。
Instagramは写真や映像の投稿を主とするSNSです。
商品を認知してもらうためのビジネスアカウントとして運用している企業もあります。Instagramの主なユーザー層は10代から30代です。
また、Instagramは写真や映像を主としたSNSであるという特徴から、「インスタ映え」という言葉もあるように、おしゃれさを意識した投稿が人気を集めています。中でも女性の利用率が高いため、女性をターゲットにした投稿は効果が出やすい傾向にあります。
Facebookは世界中で使われている日記形式のSNSです。Facebookが他のSNSと大きく違う点は実名制であるところです。
また商品を認知してもらうための企業アカウントも多数存在しており、ビジネスにも利用されています。ユーザーの年齢層は比較的高めで、30代の人の利用率が高いです。
ライフイベントに関わる投稿も多く見られ、出身大学や勤務していた会社をプロフィールに登録している人もいるので、そこからどんなスキルがあるのかや、どんな人柄の人なのかを推測することも可能です。
ビジネスに特化したSNSとそれぞれの特徴
TwitterやFacebook、Instagramは個人の自己発信で使っている人が多いですが、SNSのなかにはビジネスに特化したSNSもあります。この章ではビジネスに特化したSNSのそれぞれの特徴を解説します。
2003年からサービスが始まったLinkedInは、ビジネスに特化型のSNSとして世界的に知られています。全世界のユーザー数は6.9億人(2020年11月現在)を超えており、特にアメリカ、インド、中国などで人気を誇っています。
LinkedInはTwitterやInstagramなどの一般的なSNSとは違い会社側も求職者側もビジネスでの利用を目的としているため、手軽に仕事モードの交流ができます。求人を載せられる機能もあるため、求人サイトのような使い方もできます。
Wantedly
Wantedlyは自社の価値観にあった人材を採用したいと思っている人におすすめのビジネスSNSです。
Wantedlyには給与条件などが記載されない分、自社の魅力がダイレクトに伝わるようになっています。そのため、より会社の社風や価値観に合った人が応募しやすい仕組みとなっています。
また採用側はスキルや経歴、この先やってみたいことを検索したうえで、会いたい採用候補者に直接メッセージを送ることが可能です。企業が優秀な人材をスカウトするのにも適したビジネスSNSです。
ソーシャルリクルーティングで業務の効率化が図れる
もしも業務の効率化を図るためにソーシャルリクルーティングを考えているのであれば、クラウドエージェントの利用がおすすめです。
クラウドエージェントを利用すれば、経験豊富な業界のプロが選任のコンサルタントとなり、人材紹介に特化したサービスだからこそ提供できるノウハウをお伝えします。
また業務の効率化だけでなく、求人データベースもあるため、自社の登録者を増やすことにもつなげることができます。
ソーシャルリクルーティングは人材紹介にも役立つ採用方法
本記事で紹介したようにソーシャルリクルーティングを活用すると、
- 人材紹介サービスや求人広告に比べると費用が安い
- 履歴書にない情報が得られるのでミスマッチを防げる
- 求職者と気軽にコンタクトがとれる
といった複数のメリットが得られます。
登録者を増やしたいと思う人材紹介会社でも、ソーシャルリクルーティングを活用して優秀な求職者と直接コンタクトを取り、自社の求人を紹介できます。
ただソーシャルリクルーティングには常に情報を更新しなくてはいけない労力があること、一度に大量に人を採用できないことを抑えておきましょう。もし自社に運用するためのリソースがない場合は、運用代行を活用することも検討してみましょう。
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