転職軸の設定方法とは?人材紹介ビジネスでの活用方法も解説

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転職する際、さまざまな場面で役立つ「転職軸」をご存知でしょうか。「転職軸」とは、求職者が設定した転職先へ求める条件のことです。

求職者だけに関係があることのように感じられるかもしれませんが、人材紹介ビジネスを成功させるためにも重要な考え方です。人材紹介会社を営むなら、求職者の転職軸を理解して、希望に合った案件を紹介する必要があるでしょう。

本記事では、転職軸の基本から設定方法、人材紹介ビジネスでの活かし方まで詳しく解説します。転職軸を正しく活用して、求職者ファーストの信頼ある事業を目指しましょう。

転職軸とは?

転職軸とは?

そもそも転職軸とは、具体的にどんなものでしょうか。はじめに、転職軸について基本的な知識を身につけましょう。

会社を選ぶときの条件のこと

転職軸とは、求職者が会社を選ぶときに重視する条件のことをいいます。その条件が転職活動の要として活用されることから、転職軸と呼ばれます。

条件は人によって異なりますが、おもな転職軸は次の通りです。

  • 仕事内容
  • 収入
  • 福利厚生
  • 勤務地
  • 勤務日や勤務時間
  • 雇用形態
  • 社風や経営方針

求職者によって「経験を活かして働きたい」「資格取得制度がある会社を探している」など、独自のこだわりを持っている場合もあります。

条件はマスト条件とウォント条件に分けられる

転職軸は、絶対に譲れない「マスト条件」と、できればかなえたい「ウォント条件」にわけて考えることができます。数ある条件をこの2つに分類することで、優先順位を整理でき、転職先が選びやすくなります。

転職する人は、前職に何らかの不満や疑問を感じていることがほとんどです。たとえば「前職よりも収入が高いところでキャリアアップしたい」という人がいる一方、「休みが少なかったので土日祝日は必ず休みたい」という人がいるように、求職者の転職理由によって条件の優先順位は異なるため、注意しましょう。

就職軸とは異なる

転職軸と混同されやすいのが「就職軸」です。就職軸は、はじめての就職活動時に作る条件のことで、仕事を経験していない状態で設定されます。その職業や勤務形態へ具体的なイメージがない状態で作られるため、転職軸と比べて明確ではなく、ぼんやりしていることが特徴です。

転職軸として、かつて活用していた就職軸を再利用する求職者もいます。しかし、実際に就職して働くと、自分の中で優先したいことや仕事に求めることが変化するのも珍しくありません。転職軸が就職軸と大きく変わることもあるため、転職の際には新しく希望条件を挙げて作り直すほうがおすすめです。

人材紹介会社としては、その意識の変化を汲むような寄り添いをして、転職軸作りをサポートする必要があります。

求職者に転職軸を設定してもらうメリット

求職者に転職軸を設定してもらうメリット

求職者に転職軸を設定してもらうと、人材紹介ビジネスでは次のようなメリットが得られます。

  • 企業と人材のミスマッチを防げる
  • 求職者とのコミュニケーションの質が上がる
  • 企業との面接がよりスムーズになる

それぞれのメリットを深掘りしていきましょう。

企業と人材のミスマッチを防げる

転職軸を設置し、希望条件が明確になることで、企業と人材のミスマッチを防ぐことができます。

ミスマッチが起こってしまうと、求職者だけでなく企業との信頼関係にも影響が出ます。「思っていた仕事とは違う」と早期退職されてしまっては、企業としても大きな打撃です。人材紹介会社としての信頼を失うだけでなく、場合によっては料金の返金を求められる恐れもあります。

求職者に合った仕事を紹介するためには、まず求職者自身の十分な自己分析が必要です。転職軸の設定は、この自己分析をする上でも大変有用です。転職軸を設定することで、求職者が自分の希望を明確にでき、人材紹介会社も希望に合った企業を提案することができます。

求職者とのコミュニケーションの質が上がる

求職者に適した会社や案件を紹介するには、求職者とのコミュニケーションを円滑におこなうことも大切です。設定した転職軸をもとに面談をしたり、必要に応じて一緒に設定したりすることで、求職者の性格や希望を理解することになります。

また、転職軸でコミュニケーションの質が向上すると、希望に合った案件を紹介できるだけでなく、求職者が持つ能力を客観的に見ることにもつながります。

求職者の希望に合っていたとしても、企業が求める人材でなければ良いマッチングとはいえません。しかし、求職者の能力を客観的に見ることができれば、求職者の希望だけでなく、企業のニーズとのバランスを見つつより良いマッチングを探ることができるでしょう。

企業との面接がよりスムーズになる

転職軸は、面接対策にも役立ちます。面接で聞かれる志望動機や自己PRの作成に、転職軸の内容が深く関係するためです。転職軸を作成して、求職者のアピールポイントや志望動機を明確にすることで、企業との面接がスムーズになり、通過する可能性も高くなります。

また、企業によっては面談を対応したコンサルタントが同席して面接することもあります。企業の採用担当者に求職者の強みや希望を聞かれた際にも、転職軸を把握していれば的確に受け答えすることができるでしょう。

転職軸を設定する流れ

転職軸を設定する流れ

それでは、実際に転職軸を設定する方法を確認しましょう。

  1. 転職する理由を明確にする
  2. キャリアパスを考える
  3. 条件を考える
  4. マスト条件とウォント条件に仕分ける

人材紹介会社に登録したものの、自分の明確な希望を把握していない求職者も多くいます。コンサルタントとして共に転職軸を設定することも考えられるため、ぜひ把握しておきたいポイントです。

転職する理由を明確にする

まず、転職する理由を明確にすることから始めましょう。「なぜ転職したいのか」「最終的な目標は何か」など、簡単な質問から徐々に理由を絞り出していくことが大切です。

理由を明確にすることで、希望条件が見つかるだけでなくミスマッチを防ぐことができます。たとえば、転職理由が「やりがいがなく日々の業務にやる気が湧かない」だった場合、収入や勤務形態などの条件だけを見て選んでしまっては、同じような理由で再度転職することにもなりかねません。

また、転職したい理由によっては、現在の職場と相談することが求職者の抱えている悩みにとって一番の解決策となることもあります。企業と求職者をマッチングさせることが人材紹介会社の役割ではありますが、転職理由によっては転職以外の選択肢も視野に入れ、ミスマッチを防ぎましょう。

キャリアパスを考える

転職したい理由によっては、希望する職位や役職に就くための道筋を考える必要があります。その道筋をキャリアパスといい、転職先を考える上で重要な考え方です。

たとえば、「いずれ今の職種で年収1,000万円を超えたい」という目的がある場合、その職種で条件を満たす企業や役職・年齢といった条件を考える必要があります。そうした希望をかなえるキャリアパスを考えることで、転職先の条件を見極めることができます。

キャリアパスと似た言葉としてキャリアプランがあります。キャリアパスが、「企業側が提示する役職や職位を与える、ある程度の道筋や条件」であるのに対し、キャリアプランは、「働く人々がそれぞれ描く、人生におけるキャリアの計画」です。

キャリアパスを考える上で、求職者のキャリアプランも知る必要があると捉えておきましょう。

条件を考える

続いては、転職先に求める条件を書き出す作業をおこないましょう。面談で求職者と一緒に考えるのであれば、条件をチェックしながら考えていけるようなシートがあると便利です。

ここでは、一度優先順位は無視して、希望する条件を全て挙げることをおすすめします。転職活動を進めるうちに、当初こだわっていた条件が変わったり、優先順位が入れ替わったりすることがあるためです。

必要に応じて、チェックされていない項目についても質問すれば、求職者とより深いコミュニケーションが取れるでしょう。

マスト条件とウォント条件に仕分ける

その後、提示された条件をマスト条件とウォント条件にわける作業をします。求職者自身に仕分けてもらうか、「土日休み希望となっていますが、他の条件が整っていて平日休みの求人があったらどうですか?」など質問しながら一緒に考えていくのもよいでしょう。

2つに仕分けができたら、最後に優先順位をつけます。特にウォント条件に関しては、本当に希望している条件が何なのか把握するために、丁寧な優先順位設定が必要です。

転職軸の使い方

転職軸の使い方

転職軸が設定できても、正しく活用されなければ意味がありません。転職軸は、企業の絞り込みや面接対策に活用しましょう。

企業の絞り込みに使う

転職軸にもとづいて企業案件を探すことで、求職者の価値観や能力・希望に適した企業を見つけることができます。

転職活動を続けているうちに、マストの希望とウォントの希望の優先順位がわからなくなり、優先順位の低い条件を満たす企業に入職してしまう例もあります。優先順位をきちんと把握した転職軸で企業を絞り込むと、そういったミスマッチを防ぐことができるでしょう。

面接対策に使う

転職軸は、前述したように、面接で聞かれやすい志望動機や自己PRの内容を考えるのにも適しているため、面接対策にもうってつけです。

企業の絞り込みに転職軸を活用していると、志望動機を聞いて「我が社に適した人材」と判断してもらえる可能性も高くなるため、面接通過のチャンスも増えるでしょう。

転職軸を活用した人材紹介ならクラウドエージェントがおすすめ

転職軸を活用した人材紹介ならクラウドエージェントがおすすめ

転職軸を活用するといっても、自社で得た求人案件と求職者の希望をマッチングさせることは簡単ではありません。そこでおすすめしたいのがクラウドエージェントの利用です。

求人データベースを活用する

クラウドエージェントは、業界最大の求人データベースです。幅広い求人案件を取り扱っており、人材紹介ビジネスで重要な求人開拓にかかる工数を大幅に削減することができます。

自社で求人開拓するには、各企業に営業する必要があります。その手間や労力を省くことで、求職者との面談や面接練習といった求職者のサポートに時間をかけることができるのです。

また、クラウドエージェントなら求職者の情報管理も簡単にできます。転職軸を話し合うときに使いたいヒアリングシートも搭載しているため、求職者の希望を聞いて、より適した案件を提供することにつながります。クラウドエージェントを利用して、求職者に寄り添った人材紹介ビジネスを目指しましょう。

求職者の希望にあった企業を紹介するには転職軸の理解が不可欠

求職者の希望にあった企業を紹介するには転職軸の理解が不可欠

求職者の希望に適した企業を紹介するには、求職者が設定する転職軸への理解が不可欠です。転職軸を理解することで、求職者とのコミュニケーションが円滑になり、面接練習ができるというメリットがあります。

また、求職者の希望に沿った案件を紹介することは、求職者はもちろん企業側にも大きなメリットがあります。希望に合っていない求職者が入職すると、早期退職や期待した働きがないということになりかねないためです。

転職軸を正しく理解するには、まず、転職理由や目的へのキャリアパスを考えましょう。さらに、挙げられた条件をマスト条件とウォント条件にわけ、優先順位を把握することが大切です。

転職軸を活用し、クラウドエージェントのような求人データベースの利用で業務を効率化しながら、求職者と企業とのより良いマッチングを目指しましょう。

 


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辻本哲宏

大学卒業後、ファッション系ECサイト運営会社にてCS、バイヤー職を経験。
その後、総合人材サービス会社に転職後、キャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーに従事し、20〜40代の営業系職種をメインに、年間約400名の転職相談、約30社の企業採用支援を担当。

その後、海外現地在住の高度外国人材採用支援サービスの大阪立ち上げに参画し、企業の高度外国人(主にエンジニア)採用支援にも従事。

groovesでは人材紹介事業での独立開業コンサルティング業務を経験し、現在は人材紹介会社様へのCrowd Agent導入をご支援。
得意領域は20〜40代の営業系職種。

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