誰もがSNSをはじめとしたメディアを持ち、自ら発信し影響力を持つことができるのが現代社会です。支持者であるフォロワーを持ち、ファンビジネスを行うビジネスパーソンも多く、経営者やフリーランスだけではなく、一般社員でも所属する社名を記載した上で発信することも増えてきました。
そんな現代において、人材採用も少しずつ変化が起きています。求職者は何を基準に転職するのか、企業はどうやってアピールするのか、そして人材紹介会社は何に注力をすべきなのか。それぞれの立場となって、個人にフォーカスがあたる現代ならではの採用・転職の変化について紹介いたします。
求職者にかかわる個人の力
まず、求職者については、今までのキャリア構築の定跡がなくなり、多様なキャリアを自らが選んでいけるようになっています。トヨタ自動車の社長が「終身雇用を守っていくのは難しい」と発言するなど、新卒で入社し1社で定年まで勤めるといった一律のキャリアを選ばない方も増えてきました。継続的な発信をしている方ならばSNSだけを利用して転職される場合もあります。
さらに、求職者自身が自分のキャリアを考えていく上で、どんな会社があるかという会社単位の情報ではなく、多様な生き方をしている他者の情報を参考にすることも増えてきました。例えば、大企業からスタートアップへの転職をした方、都市部から縁もゆかりもない地方への移住をした方、企業勤めからフリーランスへの転身をした方など、単なる転職に留まらず、自分のワークライフバランスや人生観まで踏まえてどういったキャリアを選ぶか考えたときに、そういった多様な生き方をしている個人を参考にするのです。そうした体外的な発信を積極的に行う他者をロールモデルとして、自分のキャリアを考える方はどんどん出てくるのではないでしょうか。
企業の個人の力
求人を持つ企業についてはどうでしょうか。今までは、求人サイトや求人票、会社説明会やクローズドな選考など限られた場所でしか企業は人材採用におけるアピールはできていませんでした。しかし、現在は実名で発信をする経営者、役員陣、さらに一般の社員も多いです。そういった人々の発信内容から、企業のカルチャーを把握し、魅力に感じることで求職者の応募に繋がる場合も出てきております。
「Twitterで有益な情報を発信しているCTOの◯◯さんの下で働きたい」「noteで取締役が発信していた事業への思いに共感したので自分も取り入社したい」このように発信が共感を生み求人応募をすることも少なからずあります。その企業に属している個人の発信により、建前ではない会社の実情が見え、求職者にとっての有益な情報となるのです。
また、現在はリファラル採用という社員に人材を紹介してもらうという採用手法も増えてきています。こちらも、採用支援をする会社に力を借りるのではなく、社員という個人の縁や紹介する社員を応募に繋げられる能力が重要となっています。このように企業の採用力が個人によってアップするという事例もあるようです。
人材紹介会社の個人の力
最後に、人材紹介会社です。人材紹介会社は会社の規模や知名度だけではなく、そこにいるコンサルタント、キャリアアドバイザーが個人で指名され相談されることがすでに広がってきています。今後ますます、配属先のネームバリューにとらわれず「◯◯さんにお願いしたい」と、個人への指名で求人企業からの求人依頼も、求職者からの転職相談も行われていきます。そうして支援を行うと口コミも広がりさらなる指名が増えていきます。また、転職やキャリアについての有益な情報を発信する個人にはフォロワーも増え、そこから相談の問合せが増えていきます。
人材紹介会社の個人の力については、大手の人材紹介会社と差別化を図るために方法の一つとしても取り上げております。
まとめ
以上のように、中途採用に関わる、各自の立場から個人の発信力がより強くなる社会での影響について記載いたしました。基本的にプラスな要素が多いですが、もちろんマイナスな影響も今後出てくる可能性はあります。人材紹介会社も、自社からの発信内容により評価が下がったり、口コミで悪評が広がったりすることで、業績自体に影響が出る可能性があるのです。
また、その他にもいろいろな社会の変化に応じて、採用においては新たな形式が生まれ、変化していくでしょう。人材紹介会社も、其の変化に合わせて自ら注力すべき業務や身につけていくべきスキルセットは変わっていくはずです。是非その趨勢を見極め、今後の取り組み方を考えていきましょう。
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