人材紹介事業は2020年以降どうなるのか?

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東京オリンピックが開催される2020年を目前に控え、日本社会は大きな変革期を迎えています。オリンピック需要に伴う景気回復、対して消費税増税に代表される税制改正による個人消費の冷え込み、また超高齢化社会への突入など、さまざまなトピックスが重なり影響しているのが現在の日本社会です。

もちろん、ビジネスの領域にもその影響は大きく、人材紹介をはじめとした人材業界についても、ビジネスの有り様は変化していくでしょう。そんな、2020年以降の人材紹介業での変化について、予想していきます。

観光立国日本での外国人採用

観光立国日本での外国人採用

訪日外国人は毎年増え続けており、インバウンドの観光市場は盛り上がってきています。オリンピックに向けインフラも急速に整備されており、日本政府も国を挙げて観光業の成長に力を入れています。

そこで採用の需要が増してくるのは、英語を始めとした外国語が扱える人材です。もちろん、日本人でそういった技能を持つ方も増えてきますが、今後は外国人労働者の受け入れも旅行業、宿泊業、飲食小売業などあらゆる業種で増えてくるでしょう。

現在すでに外国人労働者自体は増えておりますが、今後は語学力だけでなく、例えばより専門的なスキルを持った高度人材の受け入れも増えていくはずです。そういった外国人の就職希望者の人材紹介に力を入れた人材紹介会社も増えてきているので、今後もより広がっていくでしょう。

あらゆる働き方に根ざした人材の受け入れ

あらゆる働き方に根ざした人材の受け入れ

2018年の有効求人倍率は平均1.61倍と、バブル期を超える超高水準となっています。まさに超売り手市場であり、求人企業にとってはいかに人材を採用するかが喫緊の経営課題となっている場合も多いです。

超高齢化社会である日本では、労働者の人口は減り続けるため、先程述べた外国人の採用だけではなく、労働者のニーズに根ざした就業制度を設定し採用活動を円滑化する企業も出てくるでしょう。例えば、就業場所の問題を解決するフルリモート制、勤務時間の問題を解決する時短正社員制など、より多くの企業が多様な働き方に合わせた人事制度設計をすることで、これまでにはなかったような企業と人とのマッチングは増えてくるはずです。

人材紹介においては、どういった人材を採用するか企業と考える中で、単なる採用要件の緩和やターゲットペルソナの設定、選考進捗のフォローだけではない、どのような制度設計がをすることが人材採用に繋がっていくかという部分から、企業と相談し調整していくという必要性が出てくるかもしれません。

情報の可視化

情報の可視化

多くのスカウト媒体でも既に実施されているように、人材紹介会社単位ではなく、コンサルタント個人が指名され転職希望者のキャリア相談に載っていくことも増えていくでしょう。

誰もが個人で情報発信できる現代においては、既にキャリアアドバイザーとして実名SNSで発信しフォロワーを集める方も増えてきました。そこで有意義な情報を発信し、さらに実績や評判もWeb上で可視化されていることで、より有名な人材コンサルタントに転職希望者が集まるという状況も増えるはずです。

さらにいえば、そういった可視化の波は人材コンサルタントだけではなく、企業や転職希望者自身にも訪れています。企業に対してのあらゆる口コミは、Web上に掲載され求職者の就職先選びの参考にされていますし、転職希望者も自らをWeb上で売り込むことで、従来の人材紹介や求人サイトを使わずに希望の転職先へすすめる方も多いです。評判の良い会社に転職希望者が集まり、有能な転職希望者は自力で転職できる社会になっていくことで、人材紹介会社の必要性がなくなっていく場面も増えるかもしれません。

まとめ

まとめ

時代の変化に合わせ、社会、企業、個人の動きは変わってきます。だからこそ、人材紹介事業者は企業に対しても求職者に対しても、いかに介在価値を発揮できるかが新たに求められるようになっていきます。この業界で生き残るためには、どの業務を優先すべきか、何が介在価値につながるのかを考えてみていただければと思います。

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片岡良彰

大手人材企業にて、人材紹介と求人広告の営業に従事、その後人材ベンチャー企業で新卒紹介・中途紹介の両面コンサルタントを経験。
得意業界は機械系・人材系。

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