- 効率的な人材紹介業にはシステムの活用がポイント
- 人材紹介システムとは
- 人材紹介システムを導入するメリット
- 人材紹介システムを導入するデメリット
- 人材紹介システムを選ぶポイント
- おすすめの人材紹介システム3選
- 人材紹介システムとあわせて使いたい求人データベース
- 人材紹介システムを活用しよう
効率的な人材紹介業にはシステムの活用がポイント
人材紹介サービスとは、クライアント企業に求職者を紹介し、採用された際に得られる紹介手数料を利益とする職業のことです。有料職業紹介事業ともよばれます。
紹介手数料は、紹介した求職者が実際に働き始めてから支払われます。そのため利益を得るためにはクライアントが求める優秀でスキルを持つ人材を、採用まで導かなければなりません。
人材紹介サービスを成功させる秘訣は、多くの求職者情報を持つこと、クライアント企業を開拓すること、そして漏れなくスピーディーに個人情報や進捗を管理することです。
人材紹介サービス開業時にはクライアント企業や求職者の数が多くないので、エクセルや紙ベースで仕事を進めることもできるでしょう。しかし数年する内に抱える案件も増え、効率よく仕事をこなすことがエクセルや紙ベースでは難しくなってきます。
そのため多くの人材紹介サービスが活用しているのが、人事採用関係に特化した人材紹介システムです。
人材紹介システムとは
人材紹介サービスが活用している紹介システムは、業務を円滑に管理するためにさまざまな機能やサービスを提供しています。ここでは紹介システムの導入でなにが可能になるのかみていきます。
業務を円滑にする管理システム
人材紹介システムとは、人材紹介サービス業の効率化を進めるシステムのことです。管理システムによって内容は異なりますが、求職者や会社情報の管理、求人票やキャリアシートの管理、契約書や請求書といった書類などが備えられていて自動化やペーパーレス化を進めることが可能です。
導入時期ですが、可能なら起業初期がよいでしょう。起業初期は、求職者を集客するようなクライアント企業や求人をまだ抱えていません。その時期に紹介システムの情報やセミナーを活用すれば、専門コンサルタントの意見を取り入れ開拓をスムーズに進められます。
またエクセルや紙ベースでスタートしてから数年後に紹介システムを導入した場合、業務自体を管理システムに合わせる必要がでるかもしれません。業務の変更に伴って大きな労力がかかる可能性が出てしまいます。
人材紹介システムをうまく活用できれば、さまざまな情報をデータ化して集約できます。人材紹介システムを活用し、業務改善や潜在的な求職者の掘り起こしにつなげましょう。
人材紹介システムの主な機能
人材紹介システムが提供する機能はさまざまですが、主な機能は次の通りです。
- 求職者管理
- 企業管理
- 求人案件管理
- 進捗管理
たとえば求職者管理の場合、求職者の情報やステータスを管理画面にて共有できます。面談やメール、電話内容などの進捗も漏れなく管理できるので便利です。また複数の担当者での情報共有も可能です。
他にも、マッチング機能、スケジュール管理、タスクデータ集計、売上管理、請求書発行など多岐にわたります。どのような機能やサポートを備えているかはシステムによって異なるので、自社にあったものを選びましょう。
人材紹介システムを導入するメリット
費用をかけてまで人材紹介システムを導入するべきか、悩む人も多いでしょう。ここでは人材紹介システムの導入で得られるメリットをみていきます。
管理にかかる工数を削減できる
求職者が採用され報酬が発生するまでの情報は、年月が経つにつれ膨大になります。その増えていく情報をソフトウェア上で管理すれば、管理コストの削減が可能です。
情報をデータ管理するメリットは多くあります。データ検索できれば、紙ベースの資料から情報を引き出す時間の削減になります。人材紹介システムを利用してデータ分析を行えれば、事業の見直しを図ったり、潜在的な求職者を掘り起こしたりできます。
さらに労働局の監査が突発的にあったときも、迅速に対応できるでしょう。資料の提出を求められても、必要な情報をプリントアウトできるので効率的です。
人材紹介システムの中には採用業務にとどまらず、売上集計や請求書発行機能を搭載しているものもあります。それらを活用すれば、より業務を簡略化できます。その際には自社のシステムに合わせてカスタマイズできるものがおすすめです。
常に新しい情報を社内で共有できる
人材紹介システムを活用すれば、リアルタイムの情報を社内で共有できます。
会社の規模が大きくなってくると、クライアント企業や求職者の情報を、異なる部署や複数の人数で管理する必要があります。
たとえば求職者にアプローチするコーディネーターがレジュメ等を紙ベースで管理し、営業がクライアント企業や求人案件を管理し、経理が請求書関連の書類を作成しているようなケースです。
各々が情報を共有せずに業務を進めれば、情報漏れやミスの発生につながり、効率が悪くなります。
人材紹介システムは、そのような問題を解決してくれます。履歴書やキャリアシートの情報だけではなく、進捗や、電話・メールでの問い合わせ内容まで、常に新しい情報を担当者間で共有できます。
ステータスの把握に役立つ
人材紹介システムを活用すれば、求職者の進捗や、求人情報をリアルタイムで把握し、管理できます。また複数名が同じデータベースにアクセスできるため、情報の分断が起こることもありません。
求職者と求人の状況は、常に変動しています。求職者が別の会社に採用を決めてしまうこともあれば、クライアント企業の求人内容が変更することもあります。
誰がどの会社の面接を受けていて、どのクライアント企業がどのような人材を求めているのか、リアルタイムで把握するのは難しいことです。
しかし人材紹介システムを導入していれば、次にどのようなアクションをとればよいか、進捗が一目でわかります。そのため業務に携わっている各部署の担当者が、それぞれの部署と連携を取りつつ最速で動くことが可能です。
人材紹介システムを導入するデメリット
人材紹介システムのデメリットは2つあります。一つはコスト、もう一つはセキュリティです。
まずはコスト面ですが、人材紹介システムは多くの場合毎月のランニングコストが発生します。基本機能がそれほど高くなくても、便利な機能にオプション料金がかかる場合があります。自社にどのような機能が必要で、どうコストを抑えるのか、導入前に検討しましょう。
特に人材紹介サービスの起業時は、半年近く人材紹介の収入源となる紹介手数料が入らないことがあります。システムを導入してすぐに収入があるわけではないので、資金繰りに注意しなければなりません。
次にセキュリティの面ですが、個人情報を取り扱うので高いセキュリティの人材紹介システムを導入する必要があります。人材紹介システムを提供する会社が、Pマークに準拠しているかどうか事前に確認しておくとよいです。
人材紹介システムを選ぶポイント
人材紹介システムには、さまざまなプランやサービスがあります。自社にあったものを選ぶために知っておくとよいポイントを解説します。
どのような料金体系か
人材紹介システムによって、料金体系が異なります。まずは初期費用とランニングコストがどのようにかかるのか、人材紹介システムを比較する必要があります。
料金体系ですが、初期費用が0円のもの、月額料金制のもの、1ユーザーごとに費用がかかるものなどさまざまです。低料金でも、便利な機能(勤怠管理システムや給与計算との連携、SNS連携、地図機能など)にオプション料金が発生するものがあります。
料金体系を考えるにあたって重要なのは、3年後、5年後など数年を考えることです。1ユーザーごとに料金が発生する場合、事業規模が大きくなりシステムを利用する人員が増えるほど費用は増します。
将来のビジネス設計を考慮した上で、最適な人材システムの料金体系を導き出しましょう。
カスタマイズの自由度の高さ
項目や帳票のカスタマイズができる製品だと、現在使用している業務フローに合わせたり、業種や職種に合わせたりできるので効率的で便利です。
しかし、必ずしもカスタマイズの自由度の高さが使いやすさにつながるわけではありません。PCに不慣れな担当者の場合、ワンクリックで帳票が出力できたほうが使いやすい可能性があります。
カスタマイズを重要視するかどうかは、担当者がそれらの機能を使いこなせるかで考えましょう。
また起業初期からではなく途中から導入する場合も、これまで使用してきたエクセルや紙ベースの帳票に合わせやすいのでカスタマイズできるほうがおすすめです。
社内の誰もが使いやすい操作性か
カスタマイズも含め、操作性がよいことは重要です。「この機能がついていれば便利ではないか」と、多機能のものを選択しがちですが、機能が多ければ良いわけではありません。
ワンクリックで帳票出力が可能なら、PCに不慣れな担当者でも仕事をスピーディーに進められます。また労働局の監査が入った場合にも、書類の準備など迅速な対応が可能でしょう。
もしもお試し期間などがあるのなら、それらを活用して操作性を確認するとよいです。
管理可能なデータの範囲
保存しているデータの活用は、直接売り上げにもつながります。クライアントごとの成約率や歩留まりなども徹底的にデータ化し、活用しましょう。
人材紹介システムによって管理できるデータの範囲が異なるので、求人情報や求職者の管理だけをしたいのか、それ以外の情報も管理したいのか、導入前に見直しておくとよいです。
また求職者のレジュメはWord、Excel、PDFなどさまざまな形式で送られてきます。システムによっては、それらを取り込んでおくだけでレジュメに書かれた情報を検索できるものもあります。
外部システムと連携できるか
リクルートやマイナビなど外部システムとどの程度連携しているかは重要です。普段利用している媒体が、人材紹介システムと連携できていないと苦労します。さらに外部システムと連携していても、自動連携しているものとそうでないものでは異なります。自動連携していない場合、情報をCSV出力後に手入力しなければなりません。
人事採用システムを選ぶ際には、どのような外部システムと連携しているか、そして自動連携かを確認しておきましょう。
求人媒体だけではなく、勤怠管理システムや給与計算システムなどと連携できるサービスもあります。
おすすめの人材紹介システム3選
人材紹介に特化したシステムの中でも、おすすめの「マッチングッド」、「キャリアプラス2」、「HRBCエージェント」を紹介します。
初期費用 | 月額費用 | 導入実績 | 基本機能 | |
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マッチングッド | 無料 | 20,000円〜 /月 | 600社以上 |
|
キャリアプラス2 | 要問い合わせ | 要問い合わせ(参考15,000円〜 /月) | 1,000社以上 |
|
HRBCエージェント | 無料 | 15,000円可~/1ユーザー(月次契約)
※11ID以降7,500円 |
1,500社以上 |
|
マッチングッド
マッチングッドは導入者数600社を超える、人財紹介システムです。人財紹介システムと派遣システムの両方を提供しています。
人材紹介システムの基本機能に加えてオプションでホームページ連携や、地図マッチング、SMS送信、LINE連携、Web勤怠などがあり便利です。
またレジュメを取り込むことで自動反映させる機能があり、手作業入力の手間を省くことができます。無償で項目や帳票のカスタマイズも可能です。
キャリアプラス2
2003年から提供されていた「キャリアプラス」が、2013年に「キャリアプラス2」となりました。親会社がWeb系企業で開発力に強みを持っていて、最新のデザインを採用しています。
人材システムの基本機能となる情報管理だけではなく、「見える化」に力を入れています。請求書発行など採用業務に関する一連の流れを一元化したい人、売り上げに直結するKPIなど、データ化・数値化を求める人に向いています。Web媒体との自動連携数も多いです。
HRBCエージェント
HRBCエージェントは、人材紹介特化型の業務管理システムです。人材紹介業発の専門誌、「ポーターズマガジン」を提供するポーターズが運営しています。
導入のしやすさが特徴で、価格も同業種の中では比較的安価です。Web媒体との自動連携数も多く、カスタマイズの自由度が高いです。
カスタマイズについては、賛否両論があります。自由度が高い分、使いこなせる人には自社に合わせられるので便利ですが、ITに詳しくないと設定までに時間がかかってしまうかもしれません。担当者がどれだけPCに詳しいかで判断しましょう。
多くの人材紹介システムが12カ月の最低契約期間を定めている中、最低契約期間が6カ月だということも、導入しやすい理由の一つです。
人材紹介システムとあわせて使いたい求人データベース
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人材紹介事業者にとってのメリットは、求人データベースを活用により営業開拓しなくても求人を得ることができる点です。また求人企業にとっても、メリットがあります。求人データベースの導入により、参画している複数の人材紹介サービスから候補者の推薦を受けられることです。
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人材紹介システムを活用しよう
求職者や求人、採用の進捗などの管理を効率的に行うために、人材紹介システムは有効です。人材紹介システムを導入すれば、情報共有により社内の連携を高めたり、データを徹底的に分析したりできます。
システムの導入を成功させるカギは、現在の自社にとって必要なものはなにかを見極めることです。自社の数年先を見据え、コストの面や操作性、カスタマイズの自由度などを見直してみてください。そうすることで、自社に必要な人材紹介システムはどのようなものかみえてくるでしょう。
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